nmsホールディングス<2162>は15日、2023年3月期連結決算を発表した。売上高は前期比24.9%増の790.33億円、営業利益は15.37億円(前期は3.61億円の損失)、経常利益は14.26億円(同1.22億円の利益)、親会社株主に帰属する当期純利益は5.05億円(同19.80億円の損失)となった。



HS事業(ヒューマンソリューション事業)の売上高は前年同期比5.3%増の232.60億円、セグメント利益は同64.8%増の10.66億円となった。国内事業については、感染症拡大や半導体関連等の部品不足によるお客様の稼働影響等が残ったが、既存取引における原価率の改善や適正販管費の管理強化等、基盤強化策の実行を進め収益性改善に努めた。海外事業においても、中国ロックダウン等感染症関連の影響はあったが、新規顧客の獲得や既存取引のシェア拡大による在籍人数増加に加え、ベトナムでの請負・受託の利益率改善の効果もあり、前年同期に対し増収増益となり、全体として業績が大幅に改善した。



EMS事業(エレクトロニクスマニュファクチャリングサービス事業)の売上高は同34.4%増の381.57億円、セグメント利益は3.30億円(前年同期は5.36億円の損失)となった。りました。当年度においては、感染症再拡大に伴う各国政府方針によるロックダウン影響や部品不足等によるお客様の生産計画変更等の影響があったものの需要は堅調に推移し、中国における新規受注の立ち上げやベトナムにおける量産開始等、事業規模拡大により大幅な増収となった。利益面では、生産性改善やコスト構造見直しの成果もあり前年同期に対し利益改善となったが、北米EMS事業における顧客の減産影響や部材価格高騰による製造コストの増加の影響があった。しかし、北米EMS事業は同社グループの市場領域拡大を担う重点施策であり、顧客からの引き合いも順調に増えており、業績改善に向け引き続き基盤強化策の実行を進めていくとしている。



PS事業(パワーサプライ事業)の売上高は同37.8%増の176.15億円、セグメント利益は6.37億円(同0.01億円の利益)となった。第2四半期累計期間まで、中国ロックダウンによる稼働影響やサプライチェーンの混乱、部品不足や部材価格および物流コストの上昇など、感染症拡大による影響を受けたが、第3四半期に入り部品不足が緩和傾向となり、顧客が挽回生産に転じたことや為替による影響もあり、大幅な増収となった。利益面では、売上の増加に加え、部材価格高騰に伴う売価の是正や部材調達ソースの拡大等により、安定した生産活動および収益確保に向けた施策を着実に実行した。



2024年3月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比7.5%増の850.00億円、営業利益が同17.1%増の18.00億円、経常利益は、前期は為替差益の発生があったが、現段階の予想ではこれを見込んでいないため、同26.4%減の10.50億円、親会社株主に帰属する当期純利益が同8.8%増の5.50億円を見込んでいる。

また、配当については、1円増配の1株当たり7円の期末配当を予定している。