SANKO MARKETING FOODS<2762>は15日、2023年6月期第3四半期(22年7月-23年3月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比296.0%増の52.17億円、営業損失が5.31億円(前年同期は8.49億円の損失)、経常損失が5.26億円(同1.43億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が5.45億円(同1.79億円の損失)となった。



水産の6次産業化について、同社グループは、コロナ禍においても収益を確保できる独自の事業ポートフォリオの構築を目的として、既存事業とのシナジーを追求した水産の6次産業化を推し進めている。2020年12月に沼津我入道漁業協同組合(以下、我入道漁協)との業務提携のもと、我入道漁協の組合員となった。2021年9月には、地方卸売市場沼津魚市場において買参権を取得し、直接の買い付けを開始し、朝獲れ鮮魚や鮮魚加工品を同社直営店舗や他の飲食事業者、スーパー等へ出荷している。同年11月には浜松市中央卸売市場の水産仲卸・加工事業者であるSANKO海商を子会社化し、沼津での水産事業と同社飲食店舗との連携が始まった。さらに、沼津・浜松での取り組みが機縁となり、2022年7月に豊洲市場で7社しかない大卸(荷受)の1社である綜合食品を子会社化する等、1次産業から2次産業、そして3次産業へとつながるサプライチェーンの構築が一足飛びに進み、2023年4月には同社初となる水産物の小売店(鮮魚店)「漁港直送 積極魚食サカナタベタイ」を新規出店した。



大型・空中階店舗の大規模閉店について、2020年以降継続して大型・空中階及び地下階の店舗を中心とする高固定費型店舗の大規模閉店を推し進めてきた。こうした事業構造改革が一巡し、販売費及び一般管理費が大幅に削減され営業利益の改善に大きく貢献した。



「アカマル屋」モデルの出店とアップデートについて、「アカマル屋」は、郊外に位置する中小型店舗であり、コロナ禍においても、一定以上の支持を得ている。さらに水産の6次産業化を目指すグループのシナジー効果を最大化し、かつ、顧客に還元するため、業態をアレンジし、新たに「アカマル屋鮮魚店」を開発した。「アカマル屋鮮魚店」は鮮魚店併設型の大衆酒場であり、沼津からの朝獲れ鮮魚や浜松のSANKO海商、豊洲の綜合食品と連携したまぐろの解体ショーの実施など、連日顧客で賑わう新しいコンセプトの大衆酒場となっている。



大きな固定投資を伴わない新規事業について、官公庁等を中心とする食堂施設の運営受託事業を拡大するとともに、弁当等の中食事業の収益化や自社運営サイト「ひとま」他EC通販事業等の拡大に努めてきた。また、他の事業者に対して、メニューの企画・開発や商物流の構築支援を行うなどし、新たな収益獲得策として注力している。加えて、飲食店社員による除菌・清掃・機器類のメンテナンス等の法人営業の強化は一つの事業領域を形成しつつある。さらに、水産事業として沼津市のふるさと納税返礼品の商品開発を産地・生産者と協働で行い、沼津市の2021年ふるさと納税寄附金受入額の大幅増加に大きく貢献し、地域ビジネスの活性化に貢献した。



当第3四半期累計期間における出退店については、2023年1月にアカマル屋鮮魚店溝の口を出店した。また、「東京チカラめし」について、2023年2月にタイにおけるライセンシーであるON AND ON GROUP COMPANY LIMITED(オンアンドオン社)運営の元「東京チカラめし」の出店に関するライセンス契約を締結しタイ1号店を出店した。退店については、新型コロナウイルス感染症拡大による影響の変化を個店ごとに慎重に見極めた結果、直営店舗1店舗、運営受託店5店舗を閉店した。これにより当第3四半期末における店舗数は、直営店38店舗(うち運営受託店11店舗)、フランチャイズ店(運営委託店舗含む)は海外(香港・タイ)4店舗、国内2店舗で計6店舗となった。



2023年6月期通期については、同日、連結業績予想の修正を発表した。売上高は72.00億円(前回予想27.3%減)、営業損失は6.60億円(同△6.92億円)、経常損失は6.70億円(同△6.92億円)、親会社株主に帰属する当期純損失は6.80億円(同△6.90億円)としている。