アウトソーシング<2427>は15日、2023年12月期第1四半期(23年1月-3月)連結決算(IFRS)を発表した。売上収益が前年同期比13.2%増の1,758.81億円、営業利益が同11.4%減の52.76億円、税引前利益が同19.6%増の47.01億円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は同98.0%増の31.35億円となった。



国内技術系アウトソーシング事業の売上収益は前年同期比14.4%増の391.55億円、営業利益は同2.9%増の30.07億円となった。コロナ禍の影響は限定的であり、前年同期比で増収増益となった。採用は、新卒入社を見据えながら、引き続きKENスクールを活用した未経験者を教育して配属するスキームにより採用単価の抑制を図っている。採用競争が激化するなかでも採用計画人数を確保し、期末外勤社員数は、前年同期末(2022年3月末)比2,694名増の24,779名と、後発ながら業界トップを保持した。重点分野IT分野や建設、医薬分野も引き続き拡大した。



国内製造系アウトソーシング事業の売上収益は同13.1%増の305.67億円、営業利益は同36.9%減の9.37億円となった。自動車業界の生産調整が増産に転じており、前年同期比で増収となった。利益面では更なる増産を見据えて外勤社員を抱え込んだためコスト増により減益となった。期末外勤社員数は前年同期末比4,397名増の25,903名となった。管理業務受託では、顧客メーカーの外国人技能実習生活用ニーズは堅調であり、適切な管理実績を高く評価され、国内首位の事業者として3月末の管理人数は19,226名となった。



国内サービス系アウトソーシング事業の売上収益は同8.7%減の76.69億円、営業利益は同56.3%減の4.75億円となった。景気変動の影響を受けにくい米軍施設向け事業が主力事業となっている。米軍施設の建物や設備の改修・保全業務の需要は堅調であるが、輸入建設資材の船便遅延といった調達リードタイム長期化が継続し、加えて建設資材や海上輸送費の高騰の影響により費用が増加し、減収減益となった。



海外技術系事業の売上収益は同12.4%増の412.74億円、営業利益は同20.0%増の20.37億円となった。英国では利益率の高い公的債権回収事業が回復傾向を継続した一方で、アイルランドではグローバルIT大手のレイオフ等の先行き不透明感が人材紹介事業に一部影響を及ぼした。インフレが高止まりして費用増となったが、派遣事業が安定的に手堅く推移している。



海外製造系及びサービス系事業の売上収益は同17.0%増の572.00億円、営業利益は同92.9%増の13.79億円となった。オランダの大手スーパーを中心としたインターネットショッピング関連事業が消費マインドの冷え込みを受けて成長が足踏みする結果となったが、物流系への注力や派遣単価引上げなどによって影響は一定程度緩和された。ドイツでは組織再編による体制強化に加えて航空業界向けが好調となった。一方、利益面では、海外技術系と同様にインフレが高止まりして費用増となったが、前年同期比では変異株急拡大に伴う対策費用などの一過性要因の剥落もあり、大幅な増益となった。



2023年12月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比11.6%増の7,700.00億円、営業利益が同39.4%増の305.00億円、税引前利益が同62.5%増の275.00億円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同80.9%増の180.00億円とする期初計画を据え置いている。