■業績見通し



1. 2024年7月期の連結業績見通し

メディアシーク<4824>の2024年7月期の連結業績予想は、売上高が前期比6.1%増の924百万円、営業利益が同3.5%増の43百万円、経常利益が同17.7%増の92百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同1.1%増の61百万円の見込みである。新規事業への投資を積極的に行いながら増収増益を目指す。「コーポレートDX」「画像解析・AI」「ライフスタイルDX」の既存の3セグメントで安定的な成長を目指し、ブレインテックを含む新規事業で大きな成長を狙う。



「コーポレートDX」において、顧客からの引き合いが好調で引き続き増収増益が見込める。「画像解析・AI」ではアイコニットを次世代対応型の情報プラットフォームとしてさらに進化させる。「ライフスタイルDX」においては、引き続き「マイクラス」の好調な受注が見込まれる。「ブレインテック・DTx」では他社との協業により売上計上を目指し、中長期的な売上の足掛かりとなる計画を推進する。



2. 成長戦略

同社グループは市場環境の変化に柔軟に対応し、安定的かつ持続的な成長を実現していくため、市場の動向に応じて、異なる事業セグメントを組み合わせてリスクを最小限とし、常に変化を続けながら最適な事業ポートフォリオを構築する。2022年7月期より将来的に高い成長性が見込まれる事業領域にて新規事業創出、事業規模拡大、安定的な収益基盤の構築等を進めている。



ビジネスにおいて発展途上の段階である「画像解析・AI」「ブレインテック・DTx」などの分野では、独自技術の開発及び市場競争力の強化を進める。複数の事業に対し、同社のリソースを臨機応変にかつ最適に配分することで、最新技術を活用した新たなサービスの開発、及び既存事業の基盤を十分に活用する。



(1) コーポレートDX

2024年7月期の業績予想を見ると、売上高が前期比10.7%増の320百万円、セグメント利益は同21.0%増の120百万円を見込んでいる。実績と経験に基づいたビジネスシステム・モバイル開発に精通した技術力と20年以上にわたるコンサルティング力で、実践的なDXソリューションを実現するイネーブラー※としての能力をさらにアップする。コンサルティングから開発・運用までをワンストップで顧客に提供し、企業のシステム内製化を初期段階からサポートし、システムコンサルティング会社や従来型のSIベンダーなどと差別化する。2024年7月期は、主に企業向けシステムコンサルティングサービスを中心として事業を展開する方針だ。



※あるコアな技術を持っており、新たなシステムを構築するために必要な企業を指す。





従来より主流であった「御用聞き」営業を脱却し、共に企業価値向上と事業成長を目指す 「共創SIモデル」を推進するとともに、保守・準委任契約をベースに、資本提携などを視野に入れた「継続的でより強固な関係性の構築」を目指す。



(2) 画像解析・AI

2024年7月期の業績予想を見ると、売上高が前期比0.7%増の286百万円、営業利益が前期比の1.9%増のを見込んでいる。同社が開発した「アイコニット」はサービスの提供から10年以上経過し、画像認識エンジンとしての圧倒的な性能と定番アプリとしての浸透力により、バーコード市場を席巻してきた。その実績を基に次世代IoTプラットフォームを目指し、新たな価値あるサービスとして、多種多様なバーコードの読み取り及び11ヵ国語への対応、ポイ活※やメモ帳、ルーペ、ICカードの読み取り等の機能を追加した。さらに、ポイ活にはアンケートやサンプル配布で読み取ったデータをポイントに生かす機能も追加した。



※商品を購入した際にたまるポイントをためたり、使ったりする活動のこと。





2024年7月期は、同社グループの「バーコードリーダー/アイコニット」のプラットフォームを基盤に、さらに画像認識技術とカメラ機能を搭載したIoTツールの組み合わせにより、成長市場であるスマートフォンの画像認識サービス市場で市場競争力のある独自の技術開発を推進し、さらに進化・発展させていく。



(a) アイコニット

「アイコニット」においては、広告の最適化とポイントサイト※1が収益化できる機能及び「JANコード※2加工食品DB」の研究開発を推進する。「JANコード加工食品DB」とは、日本で販売されている加工食品のJANコードに関する情報をまとめたもので、JANコードには、商品名、原材料、栄養成分、アレルギー物質の情報などが記されており、この情報を一元管理することで消費者が商品を選ぶ際に必要な情報を提供できるため、消費者の健康被害を予防できる。同社は、同アプリのバーコード読み取り機能でユーザー参加型のポイ活を活用するキャンペーンを開始し、多くの商品情報を少しでも早く、タイムリーに収集できるようにした。



※1 成功報酬型の広告代理業が運営するウェブサイト。「お小遣いサイト」とも呼ばれる。

※2 いわゆる「バーコード」のこと。





具体的には、ユーザーが読み取った加工食品のJANコードと商品全景、商品情報、栄養成分の撮影画像を投稿してもらい、投稿完了後に楽天ポイントを付与する仕組みを開発した。取集した画像は同社の画像解析技術・AIを用い、同社の商品クチコミ情報サービス「MonoTalk」の商品情報データベースに格納される。このデータベースから、加工食品の利用者が簡単に栄養成分やアレルギー情報の把握・検索できるようにした。



(b) バーコードリーダー

同社は、2003年にモバイル機器組込み型バーコードリーダー・ソフトウェアを開発して以降も、現在に至るまで継続して画像認識技術の研究開発を進めており、同社製品のバーコードリーダーの読取性能の品質は世界最高峰の水準にある。この高品質のQRコード・バーコード読み取りソフトウェアの外部ライセンス提供も行っている。加えて、診断に必要な詳細まで確認できる高解像度の医療画像や、患者の診断結果・治療記録・薬剤情報などの誤記や漏れ、大容量のCT画像などの分散型データベース、データの改ざん防止などに対応するための「医療系BC(ブロックチェーン)」などの研究開発も進めている。「医療系BC」の活用により患者のプライバシーやセキュリティを確保することで、偽造や改ざんのない安全な医療情報を提供できる。電子カルテ、医療情報管理システム、薬剤管理などに応用できることから、今後ますます注目を浴びる技術の1つである。



(c) AI

AI分野においては、SNS分析からトレンドの予測をビジネスターゲットにしており、当面は自社サービス向けにこれらの研究を進め、実績を蓄積した後に、これらのAIエンジンを外部提供することを目指している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)