■決算概要



2. 2024年2月期上期の連結業績

ティーケーピー<3479>の2024年2月期上期の連結業績は、売上高が前年同期比30.8%減の17,750百万円、営業利益が同43.1%増の2,758百万円、経常利益が同60.3%増の2,647百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益(以下、最終利益)が5,367百万円(前年同期は102百万円の損失)と、売上高はリージャス事業の売却よる影響で減収となるも、需要回復に伴い大幅な増益を実現し、経常利益以下は過去最高水準を更新した。



リージャス事業売却による影響を除く売上高は、コロナ禍の収束に伴う貸会議室並びに懇親会需要の回復、宿泊売上高(ホテル事業)の伸びなどにより増収(前年同期比16.5%増)を確保した。重視するKPIである「坪当たり売上高」は、稼働率の上昇や懇親会の再開に伴う料飲売上高の伸びにより大きく伸長※し、業績の底上げに寄与した。主なサービス別売上構成比を見ると、「会議室料」が41.4%、「オプション料」が13.6%、「料飲」が10.6%、「宿泊」が22.6%となっているが、「料飲」及び「宿泊」の伸びが著しく、今後の伸びしろとしても期待できる。



※大型出店など床面積の拡大を図りながらも、第1四半期の「坪当たり売上高(月平均)」が33,687円(前年同四半期比1,907円増)に伸びたことに加え、第2四半期についても32,141円(同4,973円増)と前年同四半期を大きく上回る高水準で推移している。





一方、損益面では、今後の事業拡大に向けた先行費用(新規出店、採用強化など)を積極投下しながらも、リージャス事業の売却に伴う減価償却費(及びのれん償却費)の減少や、「坪当たり売上高」の伸びにより大幅な増益を実現した。また、料飲売上高(ケータリング等)の伸びは原価増(外注費増)要因となったものの、再度内製化※に向けた体制を整えており、今後のさらなる損益改善が期待できる。なお、最終利益が大幅な増益(損益改善)となっているのは、税効果の持越し分(約35億円)が上乗せされたものであり、その点は想定どおりである。



※コロナ禍の影響を受けて苦戦した料飲部門(ケータリング)については一旦縮小(外注化)したが、懇親会需要の回復を踏まえ、再度内製化を進めている(年末年始の繁忙シーズンに向けて体制を整えているようだ)。





財政状態については、前期末から大きな変動はないが、政策投資※による「投資有価証券」や新規出店に伴う「敷金及び保証金」の増加のほか、「繰延税金資産」の増加などにより総資産は前期末比2.6%増の73,934百万円となった。一方、自己資本については、内部留保の積み増しにより同16.5%増の38,229百万円に拡大したことから、自己資本比率は上場来最高の51.7%(前期末は45.5%)に上昇。有利子負債も前期末比7.5%減の29,926百万円(ネット有利子負債は1,320百万円)に減少しており、財務基盤の強化が図られている。なお、リージャス事業売却(2023年2月1日付け)により積み上がった「現金及び預金」については、2023年8月末においても28,606百万円を確保しており、今後の成長に向けた活用が注目される。



※リリカラの持分法適用関連会社化を目的とした株式取得(約16億円)など





3. 2024年2月期上期の総括

以上から2024年2月期上期を総括すると、貸会議室・懇親会需要の回復を取り込み、大幅な増益を実現した業績面をはじめ、今後の事業拡大に向けた仕入れ面も順調であることを勘案すれば、十分に評価できるものと言えるだろう。前期実施したリージャス事業の売却が損益や財務、今後の方向性にどのような変化を及ぼすのかが注目点の1つであったが、想定どおりに期間損益の改善や財務のスリム化(健全性の強化)が進んだほか、今後の業績の伸びをけん引する床面積の拡大に向けても、ターミナル駅を中心に積極的な姿勢や実績を確認することができた。また、後述するように、付加価値の向上や多面的な空間利用・再生に向けても様々な取り組みを進めており、スペースとコンテンツの両面で一定の成果を示すことができたと言える。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田郁夫)