■要約



プログリット<9560>は英語学習にコーチングという手法を用い、短期間で学習者の英語力を伸ばす「英語コーチングサービス」とシャドーイング音声を添削する「サブスクリプション型英語学習サービス」(以下、サブスクサービス)を提供するビジネスモデルを展開している。英語コーチングサービスの受講者数は累計17,000名を超える(2023年9月末時点)。英語が話せないというだけで、70億人とのコミュニケーションや世界での仕事を諦める事態にならないよう、コーチングサービスを通じてあらゆる人々にスキルや自信を提供し、一人でも多くの人が、世界で自由に活躍するための環境を実現できるよう、質の高いサービスを展開している。



1. 2023年8月期の業績概要

2023年8月期の業績は、売上高3,023百万円(前期比34.2%増)、売上総利益2,140百万円(同41.8%増)、営業利益497百万円(同52.5%増)、経常利益492百万円(同53.6%増)、当期純利益360百万円(同92.9%増)と、売上高、各利益ともに過去最高を更新した。新型コロナウイルス感染症拡大(以下、コロナ禍)対策の行動制限の解除によりビジネスパーソンを中心に海外渡航機会が増加し、またコロナ禍以降海外とのWebコミュニケーションが定着するなかで、英語を本格的に使用するニーズが高まり、同社のサービス受講者数は着実に増加した。特に、サブスクサービスの売上高が同90.9%増の931百万円と大きく成長した。英語コーチングサービスの売上高も同18.6%増の2,092百万円と着実に積み上がっている。英語コーチングサービスにおけるコンサルタント稼働率の改善、英語コーチングサービスに比べて収益性の高いサブスクサービスの成長に伴い、売上総利益率は70.8%と同3.8pt上昇し、売上総利益は同630百万円増の2,140百万円となった。一方、サブスクサービスの拡大に伴う積極的な人材投資、認知度アップのための大型広告投資などにより販管費は同459百万円増加したが、これらのコスト増を吸収し、営業利益は同171百万円の増加となった。



2. 2024年8月期の業績見通し

2024年8月期の業績は、売上高3,800百万円(前期比25.7%増)、売上総利益2,660百万円(同24.2%増)、営業利益610百万円(同22.7%増)、経常利益610百万円(同23.7%増)、当期純利益440百万円(同21.9%増)と、売上高及び各利益において20%超の増収、増益を見込んでいる。英語コーチングサービスにおいては、コンサルタントを13〜18名純増し15〜20%成長させるほか、サブスクサービスにおいては、新規会員数を積み上げ45〜55%成長を目指す。コンサルタントの人員増や2023年9月からの一律給与引上げなどにより英語コーチングサービスの原価率が上昇し、売上総利益率は70.0%と同0.8pt低下する見込みである。また、業務委託のエンジニアの社員化を含めて、サブスクサービス開発チームにおいて10名程度、管理部門の人員を数名程度増員するほか、第2四半期にリリース予定の新サービス「SUPIFUL(スピフル)」(スピーキング特化型サービス、以下「スピフル」)、「プログリットAI英会話(仮称)」(AI英会話サービス)の開発・運用費用などを約90百万円織り込んでいるため、営業利益率は16.1%と同0.3pt低下する見込みである。ただし、新サービスによる売上高は計画に含めていない。尚、新サービスへの投資を考慮せず既存サービスのみで見た時の営業利益率は18.4%と同2.0pt上昇する計画となっている。



3. 今後の成長戦略

今後の成長戦略は、英語コーチングサービスの供給力の増強、法人向けビジネスの強化、開発力を活かしたサブスクサービスの拡充、新たな英語学習領域及び英語学習領域以外への展開を基本戦略としている。オーガニック戦略として、主力である英語コーチングサービスの更なる顧客獲得拡大とサブスクサービスへの投資を中心に進め、より安価な価格帯セグメントに新しいサブスクサービスを提供するなど、様々な価格、目的に適合したサービスのポートフォリオを構築し、顧客層の拡大と認知の向上を図り、成長を加速させていく。また、M&Aなどによるインオーガニック戦略として、積み上げてきたノウハウを生かし、新たな英語学習サービスや英語学習以外のサービスへの拡大を計画している。



■Key Points

・2023年8月期は大幅な増収増益となり、売上高、各利益ともに過去最高を更新

・サブスクサービスが急成長し、2024年8月期第2四半期には生成AIを活用した新サービスを投入

・サービスの認知度が拡大し、顧客満足度とシナジー効果を生み出す

・中長期ターゲットである英語学習領域以外も含む教育研修の市場規模は約1.2兆円



(執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一)