■事業概要



1. 会社概要

パパネッツ<9388>は、不動産管理会社及びマンスリーマンション運営会社及びハウスメーカー・不動産流通会社等をサポートする「御用聴きカンパニー」として、大都市圏中心に展開している。社名である「パパネッツ」の2つのPは、「社会と人=PublicとPeople」を示しており、社会と人を大事に、そのつながりのなかで仲間を募りネットワーク化していきたいという意味が込められている。2023年3月には、経済産業省及び日本健康会議により、健康経営優良法人2023(中小規模法人部門)に認定された。



サポート業務の内容は、取引先の管理物件の巡回点検を行う「管理会社サポート事業」、二人体制で家具・家電製品などの大型商材の運搬・開梱・組立・設置までを独自の配送ネットワークで展開する「インテリア・トータルサポート事業」、不動産賃貸のほかコンテナストレージの賃貸などを行う「その他」の3事業である。同社は、取引先企業から汲み取った要望を全社で共有し、解決策におけるノウハウを蓄積することで、より充実したサービスを拡充し、企業価値の向上を目指している。2024年2月期第2四半期の事業別の売上構成比を見ると、主力である「管理会社サポート事業」が73.9%、続いて「インテリア・トータルサポート事業」が25.4%、「その他」が0.6%である。



2. 沿革

同社は1995年12月、(株)三協運輸サービスの100%子会社として、西関東における引越業務の拠点という位置付けで埼玉県入間市に(株)三協マイスタッフの商号で設立した。2002年10月から実質的休眠状態であったが、2013年12月に(株)パパネッツに商号を改め再出発した。2014年4月からは「インテリア・トータルサポート事業」として、家具・インテリア商材・オフィス什器等の配送業務である「全国ツーマン配送ネットワークサービス」を開始した。2015年3月に親会社である三協運輸サービスから「管理会社サポート事業」を吸収分割により承継し、さらに三協運輸サービスの子会社である(株)パパサンを吸収合併して「インテリアコーディネートサービス」「カーテン・ブラインドメンテナンスサービス」「インテリア素材調達サービス」を開始した。2017年10月には東京証券取引所TOKYO PRO Marketへ上場した。2023年4月にサプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者との連携・共存共栄を進めることで新たなパートナーシップを構築する「パートナーシップ構築宣言」を行った。



3. 事業内容

管理会社のサポート業務を一括して行う企業の種別として、プロパティマネジメント(PM)企業やファシリティマネジメント(FM)企業があるが、同社はFM企業に分類される。FM企業は、設備や施設の保守・管理を主に行うもので、建物内の各種設備や備品の調達・管理、清掃、セキュリティ、テナント対応、メンテナンス業務などを担っている(PM企業は、不動産の資産運用や管理全般を担う。物件の賃貸業務や管理、リース戦略の立案、テナント対応、メンテナンス業務の委託などを行う、管理業務が範疇である)。



従来は、巡回なら警備会社やビルメンテナンス会社、内装なら内装業者や建設業者、清掃ならビル清掃業者というように、各業務を各専門業者が受け持つ場合が多かったが、同社はこれらを「御用聴き」という新しいビジネスモデルとして管理会社の主業務や困りごとをまとめて引き受ける。これにより不動産管理会社やレンタルコンテナ運営会社、マンスリーマンション運営会社などの顧客は、賃貸契約などの本来の業務に特化できる。そして同社は、これまで培ったノウハウにより顧客からのあらゆる手間のかかる業務を安価で請け負うことで、他社に真似できないビジネスモデルを構築している。



同社は「管理会社サポート事業」「インテリア・トータルサポート事業」「その他」の3事業を展開している。「管理会社サポート事業」では、取引先のマンション、アパート、ビル、コンテナなどの管理物件の巡回点検等を行っている。「インテリア・トータルサポート事業」は、大型商材の運送・開梱・組立・設置までを独自の配送ネットワークで展開するほか、インテリア商品の販売・レンタル等を行う「インテリアコーディネートサービス」、カーテンレールやブラインドの取替等を行う「カーテン・ブラインドメンテナンスサービス」、国産木材を原木から取り扱う「インテリア素材調達サービス」等を行っている。「その他」は、不動産の賃貸のほかトランクルーム物件の賃貸などを行っている。



同社の強みとなっているのが、サポート業務を効率化するために独自に構築したシステムである。家具を物流拠点に集めて商品を管理し、ニ人体制で効率よく配送できる全国ツーマン配送ネットワーク「パパネット」を構築しているほか、不動産における巡回点検をクラウド化することで報告書をペーパーレスで迅速に作成・提出できる不動産巡回点検報告書システム「じゅん君」がある。こうしたシステムにより、全国展開のクライアントに対応できるのは、FM企業のなかでは現状同社のみとなっている。



(1) 管理会社サポート事業

同社の主力である「管理会社サポート事業」では、1) 建物定期巡回サービス、2) レンタルコンテナ点検サービス、3) マンスリーマンションサポートサービス等をはじめ、管理会社が顧客からの幅広い要望に応えられるサービスを目指し、展開している。



同社は、取引先から建物定期巡回サービス、レンタルコンテナ点検サービスを受注した場合、提携先の事業者(以下パートナー)に巡回・点検・清掃を依頼する。パートナーは業務完了後に報告書を作成し、同社に報告する流れとなっている。同様に取引先からマンスリーマンションサービスを受注した場合は、パートナーに対して取引先への清掃業務、布団の販売・レンタル・配送、商品の販売・配送などを依頼し、パートナーから報告を受ける流れとなっている。



こうした点検・清掃業務から報告までの流れを効率化するため、同社は不動産巡回点検報告書クラウドシステム「じゅん君」を独自に開発した。同システムをインストールした携帯情報端末を活用することで、タブレット端末に表示されるチェック項目に沿って点検を行い、必要なポイントでは写真を記録するだけでデータ化され、取引先に提出する報告書を自動で作成できる。これにより、取引先の不動産管理会社はWebを通じていつでも閲覧できる。また、電球などの消耗品の型番・数量・交換場所などの細目にわたって表示されるため、細かな情報の一括管理もできる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 中山博詞)