■ESGの取り組み



網屋<4258>はESG経営の推進にあたり、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の観点から優先的に取り組むべき重要課題(マテリアリティ)を特定している。同社では、社会への貢献、事業の継続において、「人材」が最も重要であり、ESGにおいても「人材」に関わる活動に重点を置いて取り組んでいく考えである。



1. 「環境」への配慮

在宅勤務、ワーケーションなど、働き方の多様化を積極的に推進するほか、社内をフリーアドレス化し、社員1人あたりのオフィススペースの効率化を図ることで、オフィス内で必要とする電力量の削減に努めている。また、会議資料の電子化、業務における紙の使用量の削減を推進し、「保護(まもる)くん」※の利用により、紙資源の再利用を促進している。



※(株)日本パープルが手掛けている機密情報を回収するためのボックスである。回収ボックスに集められた紙は、機密処理施設に運ばれ、再生紙としてリサイクルされる。





2. 「社会」への貢献

サイバーセキュリティ人材の不足は、国防の観点から重要な課題の1つである。同社は、国立大学法人、公立大学法人、学校法人、国立高等専門学校などとの共同研究を通じて、サイバーセキュリティ人材の育成に貢献している。また、海外の大学とも連携し、海外のサイバーセキュリティ人材の育成にも積極的に関与し、世界のサイバー空間の安全性向上に貢献している。具体的な取り組みとして、東京大学との因果解析によるログの活用、京都大学、北陸先端科学技術大学院大学とのサービスデザインの共同研究、上智大学との秘密分散法を活用したビジネス創出、高等専門学校とのWiFiエクスペリエンス向上のアプリ開発、北海道大学とのサイバーセキュリティ研究部門の設置やAIによるパケット・ログ解析、東京工業大学との次世代機械学習の数理モデルの研究、タイのマヒドン大学との「ALog」に搭載するAIの調査・検証などがある。



また、誰もが平等に雇用機会が与えられるよう、同社では傷病等で休職した従業員に対し、休業中のサポートはもちろんのこと、職場復帰に向けたサポートを積極的に行っている。また、女性が活躍できる社会を推進していくため、産休後の職場復帰についても積極的にサポートしている。子供は将来の社会を背負っていく貴重な存在であり、男性の育児への積極的参画も重要である。同社では必要とするすべての従業員が育児のための休暇を取得できるよう積極的にサポートしていく考えである。



3. 「ガバナンス」の強化

(1) リスク・コンプライアンスへの取り組み

経済環境、自然災害、政治・地政学、レピュテーション、労務、不正行為など同社を取り巻くリスクには様々なものがある。同社では、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、これらのリスクを識別し、予防・コントロールするとともに、有事の際にその被害を最小限にとどめるための体制を整備している。また、法令違反に対する予防だけでなく、法改正や制度改正などに対し、速やかな対応ができるよう、専門家との連携も強化している。



(2) サイバーセキュリティ対策の強化

サイバーセキュリティ企業として、社会にサイバー空間の安心・安全を提供する立場にあるため、厳しいセキュリティ対策を講じている。セキュリティリスクに対する予防だけでなく、常にリスク状況をモニタリングし、有事における被害を最小限にとどめるための対策及び体制を整備している。具体的には、同社では、セキュリティリスクをモニタリングし、把握することで顕在化を予防するとともに、有事の際、速やかに適切な対処を行うためにCSIRTを設置している。また、サーバ及びPC等すべての機器に対し、週次で脆弱性検査を実施している。発見した脆弱性については、対応基準に従い、脆弱性の重要度に応じて適切に対処している。



(3) 情報セキュリティの継続的改善

顧客や同社などが所有する情報を保護することを目的として、国際規格である「ISO/IEC 27001」認証を取得している。同社では情報セキュリティ委員会を設置し、各部門にセキュリティ担当者を配置することで、日々変化する情報セキュリティリスクに迅速に対処できる体制を整備し、その維持・改善に努めている。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 永岡宏樹)