■業績動向



1. 2023年7月期連結業績の概要

ファーマフーズ<2929>の2023年7月期の連結業績は売上高が前期比13.9%増の68,572百万円、営業利益が同234.1%増の3,610百万円、経常利益が同179.9%増の3,540百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が税金費用減少も寄与して3,081百万円(前期は374百万円の損失)と、大幅増収増益だった。売上面では主力の「ファーマギャバ(R)」や「ニューモ(R)育毛剤」が牽引し、全セグメントが増収と好調に推移した。利益面では、積極的な研究開発投資や広告投資を継続しているが、増収効果に加えて、BtoB事業のCMOにおける受注単価見直し、BtoC事業における広告投資の適正化なども寄与した。全社ベースの売上総利益は同14.9%増加し、売上総利益率は同0.7ポイント上昇して80.6%となった。販管費は同9.9%増加したが、販管費比率は同2.8ポイント低下して75.3%となった。販管費のうち広告宣伝費は38,865百万円で同8.7%増加したが、広告宣伝費比率は同2.7ポイント低下して56.7%となった。この結果、営業利益率は同3.5ポイント上昇して5.3%となった。(2023年7月18日公表の修正予想(売上高を下方修正、各利益を上方修正)との比較では、売上高、営業利益、経常利益はおおむね計画どおり、親会社株主に帰属する当期純利益は大幅に上振れて着地した。



なお四半期別の売上高、営業利益、広告宣伝費の推移は、第1四半期は広告宣伝費(前年同期比90.2%増の12,800百万円)を積極投入したため2,194百万円の営業損失だったが、第2四半期以降は増収効果に加えて、広告投資の適正化(第2四半期10,035百万円、第3四半期8,309百万円、第4四半期7,721百万円)効果などにより、営業利益が大幅に増加(第2四半期1,310百万円、第2四半期2,518百万円、第3四半期1,976百万円)した。





BtoC事業が大幅増益

2. セグメント別の動向

(1) BtoB事業

BtoB事業は、売上高が前期比4.2%増の8,418百万円、セグメント利益(全社費用等調整前営業利益)が同21.6%減の1,301百万円だった。アイテム別売上高は機能性素材が同17.2%増の2,002百万円、機能性製品が同47.8%増の1,368百万円、明治薬品のCMOが同15.0%増の4,190百万円、CHCが同52.4%減の857百万円だった。機能性素材では、主力の「ファーマギャバ(R)」が国内食品メーカーの採用増加に加えて、米国や韓国での採用拡大も寄与して過去最高の売上高となった。機能性製品では越境ECが好調だったほか、「明晰ラボ」や「筋肉ラボ」などNB製品のラインナップ拡充が進展して大幅増収だった。CMOは後発医薬品メーカーの品質問題や製造上の不備により代替需要が高まるなか、利益率向上を目指して受注価格への転嫁や受託品目の絞り込みを推進した。CHCは減収だが、ドラッグストア向け新規ブランド製品の展開を強化している。セグメント利益はCHCの減収影響などで減益だった。



(2) BtoC事業

BtoC事業は、売上高が前期比15.2%増の59,788百万円、セグメント利益が同486.9%増の3,746百万円だった。カテゴリー別売上高は医薬品・医薬部外品が同7.6%増の34,275百万円、化粧品が同76.5%増の12,167百万円、サプリメントが同0.9%減の11,212百万円だった。主力の「ニューモ(R)育毛剤」が高水準で推移したほか、「まつ毛デラックスWMOA」や「DRcula」シリーズが大幅に伸長した。累計出荷件数は「ニューモ(R)育毛剤」が2023年7月22日時点で2,200万本を突破、「まつ毛デラックスWMOA」が2023年9月8日時点で230万本を突破、「DRcula」シリーズが2023年9月8日時点で130万本を突破、「ラクトロン」シリーズが2023年9月20日時点で128万本を突破した。利益面は増収効果に加えて、広告投資の適正化も寄与して大幅増益だった。なおグループ全体の定期顧客件数は広告投資適正化に伴い、第1四半期末の1,146,889件から第4四半期末に941,628件へ減少したが、相対的に高い水準を維持している。この定期顧客基盤がもたらすリピート購入が、将来の利益獲得につながる。



(3) バイオメディカル事業

バイオメディカル事業は、売上高が前期比55.8%増の343百万円、セグメント利益が278百万円の損失(前期は231百万円の損失)だった。自己免疫疾患抗体創薬などを研究開発している段階のためセグメント損失だが、売上面はプロテオーム解析受託事業において微量タンパク質の変化を解析する「Olink Target」サービスが好調に推移した。





財務の健全性に懸念材料ない

3. 財務の状況

財務面を見ると、2023年7月期末の資産合計は前期末比5,073百万円増加して36,232百万円となった。主に受取手形及び売掛金が2,644百万円減少した一方で、現金及び預金が7,460百万円増加した。負債合計は同2,517百万円増加して26,601百万円となった。広告宣伝費の適正化により未払金が349百万円減少したが、シンジケート方式によるコミットメントライン契約に基づく借入実行で短期借入金が2,000百万円増加、長期借入金が1,239百万円増加した。純資産合計は同2,556百万円増加して9,630百万円となった。利益剰余金が2,492百万円増加した。この結果、自己資本比率は同3.9ポイント上昇して26.6%となった。なお有利子負債残高(長短借入金合計)は20,096百万円で同3,239百万円増加したが、有利子負債比率は208.7%で同29.7ポイント低下した。



中長期的には自己資本比率のさらなる改善、有利子負債削減と有利子負債比率低下が望まれるが、現状は現金及び預金が高水準であり、有利子負債が利益圧迫要因となっていないことなどを勘案すれば、財務の健全性に懸念材料はないと弊社では判断している。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)