■業績動向



1. 2023年9月期の業績概要

ティア<2485>の2023年9月期の連結業績は、売上高で前期比5.9%増の14,068百万円、営業利益で同7.3%増の1,135百万円、経常利益で同8.1%増の1,132百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同38.9%増の789百万円と3期連続の増収増益となり、概ね会社計画通りに着地した。



2023年9月期における出店状況は、直営店で愛知県下に4店舗、三重県下に2店舗、大阪府下に1店舗、埼玉県下に1店舗を開設し、リロケーションにより2店舗を閉鎖した。また、FC店については愛知県下に1店舗、岐阜県下に2店舗、静岡県下に2店舗、大阪府下に1店舗、富山県下に1点を開設、これにより直営89店舗、FC64店舗の合計153店舗となった(前期末比で直営6店舗増、FC7店舗増)。また、葬儀件数は直営で前期比1.8%増の14,442件、FCで同1.4%増の6,158件、合計で同1.7%増の20,600件と過去最高を更新した。ただ、同期間における国内全体の葬儀件数伸び率3.2%増※に対してはやや下回った。都道府県別の葬儀件数の動向が不明のため一概には言えないが、前期は名古屋市内を中心にコロナ禍の影響もあって葬儀件数が大きく伸長した反動で、一時的な要因によるものと弊社では考えている。四半期ベースの葬儀件数は第3四半期以降、業界全体でも前年同期を若干下回る水準となっており、同社も同様のペースで推移した。



※経済産業省「特定サービス産業動態調査報告書」より算出。





売上高の前期比増減要因を見ると、新店稼働による増収で526百万円、既存店の葬儀単価上昇による増収で282百万円、既存店のその他売上高の増収で146百万円、FC売上高の増収で87百万円となり、既存店の葬儀件数減少による43百万円の減収並びにその他(リロケーションによる閉店)の減収215百万円をカバーした。なお、TLD事業については、前期比増減要因では既存店その他売上及び新店稼働による増収に含まれており、売上高としては362百万円となった。会社計画比では既存店の葬儀件数及び葬儀単価の下振れで270百万円の減額要因となったものの、TLD事業で205百万円、FC売上高で58百万円の上振れとなり、葬祭売上の下振れをカバーした格好だ。



経常利益の前期比増減要因を見ると、売上総利益の増加で513百万円となり、積極的な人財確保に伴う人件費の増加167百万円、営業促進の実施による広告宣伝費の増加84百万円、人事制度改革及び新規事業立ち上げに伴う支払手数料の増加66百万円、その他経費の増加109百万円を吸収した。また、会社計画比では支払手数料が46百万円増加したものの、売上総利益で75百万円の増額、広告宣伝費で22百万円の減額となったことなどにより、47百万円上振れて着地した。



売上原価率は前期の60.4%から59.0%と1.4ポイント低下し、会社計画比でも0.6ポイント改善した。内訳を見ると、商品原価率が0.4ポイント改善したほか、労務費率が0.1ポイント、雑費率が0.9ポイントそれぞれ改善した。商品原価率は、「接客人財・警備」「納棺」「霊柩業務」「生花」等の内製化を進めたことや、料金プランの見直しを下期に実施したことなども改善要因となった。労務費については金額ベースでは70百万円増加したものの、増収効果によって売上比率では若干改善した。雑費率も新店稼働による増収効果により改善した。販管費は前期比436百万円増加し、対売上比率でも同1.3ポイント上昇した。内訳を見ると、人件費率が0.3ポイント、広告宣伝費率が0.2ポイント、支払手数料を中心としたその他経費率が0.8ポイントそれぞれ上昇した。事業拡大に向けた人財投資、並びにTDL事業立ち上げのための先行投資が増加した。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)