■業績動向



1. 2023年8月期の業績概要

ポエック<9264>の2023年8月期の連結業績は、過去最高の売上高と営業利益を記録した。売上高は前期比21.5%増の7,052百万円、営業利益が同46.7%増の403百万円、経常利益が同46.7%増の419百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が265百万円と黒字転換した。第3四半期決算発表時の通期計画比(期初予想と変わらず)では、売上高が12.4%増、営業利益が52.2%増、経常利益が58.4%増、親会社株主に帰属する当期純利益が88.2%増であった。



2. 事業セグメント別動向

海外、特に欧米諸国ではインフレの高進と金利上昇により景気の下振れリスクがあったものの、日本国内は新型コロナウイルス感染症の5類移行や半導体不足などの状況が緩和され、個人消費が持ち直し、設備投資の増加が続いた。



(1) 環境・エネルギー事業

環境・エネルギー事業の売上高は、3,852百万円(前期比668百万円増加、同21.0%増加)、利益が217百万円(前期比81百万円増加、同60.6%増加)となった。売上高営業利益率は前期の4.2%から5.6%へ上昇した。前期より引き継いだ水処理機器関係の大型受注案件が実績に反映された。顧客の環境問題意識の高まりにより廃棄物処理とリサイクル技術への投資が活発化し、受注と売上高が増加した。マリンリバーが、養殖施設に組み込まれる冷却装置の受注増により利益を増加させた。



(2) 動力・重機等事業

動力・重機等事業の売上高は2,754百万円(前期比533百万円増加、同24.0%増加)、利益が280百万円(前期比62百万円増加、同28.9%増加)となった。売上高営業利益率は前期の9.8%から10.2%へ上昇した。工作機械関連需要の増加傾向と船舶関連の小型エンジン部品の生産工程の見直しによる業務効率化が寄与した。東洋精機産業が、細部にわたる生産性分析と生産工程の見直し、ボトルネックの解消、継続的な改善活動により効率的な生産システムを整備し、想定以上の受注量を消化した。以前は、受注後に、その都度生産をする形だったが、現在は営業と製造部門が前もって打ち合わせをすることで計画生産を遂行し効率性を高めた。多能工化により、生産性を向上させた。グループ企業の役員会議では、同子会社による業務効率改善の情報がシェアされている。



(3) 防災・安全事業

防災・安全事業の売上高は445百万円(前期比44百万円増加、同11.0%増加)、利益が19百万円(前期比6百万円減少、同25.6%減少)となった。売上高営業利益率は前期の6.6%から4.4%へ低下した。病院や福祉施設をメインターゲットとして拡販を続けてきたスプリンクラー消火装置「ナイアス」は、コロナ禍により予算が別用途に振り向けられており消火装置関連の需要が低調に推移した。コロナ禍により、病院や福祉施設への直接営業が困難になり、直販比率が低下して収益性を落とした。



3. 財務状況と財務指標

(1) 貸借対照表

2023年8月期末の財務状況を見ると、期中のライツ・オファリングにより、現金及び預金が大幅に増加し、自己資本が充実した。2023年8月期末の総資産は9,777百万円と前期末比1,636百万円増加した。現金及び預金が1,050百万円増えたことから、流動資産は5,196百万円と前期末比1,465百万円増加した。受取手形、売掛金及び契約資産が、大幅な増収により379百万円増加した。固定資産は同170百万円増の4,581百万円であった。負債は5,814百万円と、同348百万円の増加にとどまった。有利子負債は同145百万円増の4,636百万円となった。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)