■要約



ビーアンドピー<7804>は大阪府大阪市に本店を、東京都中央区に本社を置くインクジェットプリントサービスに強みを持つ販促広告制作企業である。主な事業は、セールスプロモーション事業、ウェブプロモーション事業である。現在ではデジタル技術の進歩により紙媒体からデジタル媒体への転換が進み、広告や印刷のあり方も変化している。こうしたなか、「時流適合」を目指し、既存のインクジェットプリント事業にデジタルサイネージとウェブプロモーションという新規事業を組み合わせることによって、「リアル領域」と「デジタル領域」を融合した付加価値の高い販促・マーケティングソリューションを提供している。また、2022年12月には「オーダーグッズ制作事業」も開始し、販売促進に関するサービスをトータルに提供する同社の強みを強化している。



1. 2023年10月期の業績概要

2023年10月期の業績は、売上高3,174百万円(前期比8.9%増)、営業利益452百万円(同20.2%増)、経常利益453百万円(同20.1%増)、当期純利益300百万円(同24.8%増)と増収増益となった。売上高は過去最高を達成し、営業利益ほか各段階利益も大幅な増益となった。経済活動の正常化に加え、2023年10月期よりセールスプロモーション事業、ウェブプロモーション事業の2事業推進体制へと事業区分を変更し、新たに掲げた「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」の3つの重点戦略を積極的に実行したことが増収増益につながった。また、生産面においても横浜ファクトリー、大阪本店に最新のカットマシーンを増設し、生産機能の拡大及び生産効率の向上を実現した。売上高は案件の期ずれもあり会社計画にわずかに届かなかったが、利益率の高いインクジェットプリントの受注が順調に推移したこと、生産現場での人員配置の適正化が進み労務費が抑制できたことで、利益面では計画を上回る結果となった。



2. 2024年10月期の業績見通し

2024年10月期の業績は、売上高3,400百万円(前期比7.1%増)、営業利益492百万円(同9.0%増)、経常利益492百万円(同8.7%増)、当期純利益331百万円(同10.4%増)と増収増益を見込んでいる。事業環境としては、消費活動の拡大やインバウンド需要の増大が見込まれ、一方で資材コストの上昇など懸念はあるものの適正な価格転嫁もできており、過去最高の売上高更新を予想している。引き続き、「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」の3つの重点戦略を実行し計画の達成を目指す。また、ウェブプロモーション事業は、2023年10月期においては自社ECサイトの運営を試行しながらマーケティングのノウハウを蓄積してきた。2024年10月期より事業の方向性を変えて、Web集客活動に経営資源が集中する。同社が強みとする対面営業につなげるためのWEBランディングページの作成などによりリピート受注を最大化するほか、新規顧客獲得活動のサポートに注力する方針である。



3. 中期経営計画

同社は2023年12月に、2024年10月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を公表した。デジタル印刷市場の拡大、社会のDXなどによる新テクノロジーの社会実装本格化、世界的な環境意識の高まりといった事業環境の変化を受け、高成長・高収益経営の実現に向けて『One&Only 唯一無二のアプローチで次の時代の競争優位性をつくる』ことを中期ビジョンとして掲げた。引き続き「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」という3つの重点戦略を実行し、2026年10月期で売上高5,000百万円、営業利益750百万円、営業利益率15.0%、ROE10.0%以上、配当性向40.0%という数値目標の達成を目指す。具体的には、メーカーや広告主の顧客数を3年間で30%増加させ売上高の拡大を図りつつ、生産効率化、工程のDXに向けて3年間で2.5億円の投資を計画している。また、新たに「お客さまのブランドストーリーを形にし、人々の生活をより楽しく、記憶に残るものとする」という企業パーパスを定め、プロフェッショナル人材の採用・育成、人事制度の整備や組織の活性化などのパーパス経営を実践するとともに、ダイバーシティ&インクルージョン、環境配慮型商品の拡販などサステナビリティアクションも進める方針である。



■Key Points

・2023年10月期はワンストップ営業体制、「シェア拡大」「機能拡大」「領域拡大」の3つの重点戦略に基づく積極的な事業展開により増収増益

・2024年10月期も3つの重点戦略により増収増益を計画

・2026年10月期に売上高5,000百万円、営業利益750百万円を目標とする3ヶ年中期経営計画を公表



(執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘)