■要約



城南進学研究社<4720>は東京・神奈川を地盤とする総合教育ソリューション企業である。大学受験の「城南予備校」から出発し、社会環境の変化に対応して小中学生や乳幼児向けへとサービス領域を拡大してきた。子会社では、保育園や学童保育の運営、社会人向け英語教育サービスなども展開している。一生を通じた一人ひとりの主体的な学びを支援し、たくましい知性としなやかな感性を育む能力開発のリーディングカンパニーを目指している。



1. 2024年3月期第2四半期累計業績は収益構造改革の効果もあって増収増益に転じる

2024年3月期第2四半期累計(2023年4月〜9月)の連結業績は、売上高で前年同期比0.2%増の3,069百万円、営業利益で同1,461.8%増の78百万円と2期ぶりに増収増益に転じた。売上高は個別指導部門や映像授業部門が減収となったものの、算数教室「りんご塾※」や児童英語教室、保育園などの幼少教育部門の増収によりカバーした。利益面では、人件費や広告宣伝費の削減、並びに不採算教室の整理を進めるなど収益構造改革に取り組んだことで増益となった。



※(株)りんご塾が運営する算数オリンピック対策に特化した算数専門教室。算数オリンピックとは、小学生以下の子どもを対象とするコンテストで、1992年より毎年開催されており、「日本数学オリンピック」参加選手の登竜門ともなっている、算数を共通語に思考力と独創性を競う大会。同社は2018年4月にりんご塾とFC契約を締結している。





2. 2024年3月期は期初計画を据え置き2期ぶりの増収、黒字転換を見込む

2024年3月期の業績は売上高で前期比5.0%増の6,245百万円、営業利益で169百万円(前期は32百万円の損失)と期初計画を据え置いた。第3四半期に入ってからも個別指導部門や映像授業部門で新規生徒の獲得に苦戦しており、売上高は計画をやや下回る可能性がある。一方、利益面では不採算教室の統廃合やコストの適正化に取り組むなど収益構造改革を継続することで計画達成を目指す。成長戦略として幼少教育部門を強化する方針を打ち出している。具体的には、小学校低学年に人気の高い「りんご塾」の展開を加速する方針で、「城南コベッツ」のFC教室だけでなく業務提携先の明光ネットワークジャパン<4668>の教室にも導入を進め、2024年春には150教室を超える予定だ(2023年9月末で直営・FC含めて40教室)。また、乳幼児向け育脳教室「くぼたのうけん※1」をはじめとした複数の乳幼児教育サービスを提供する「城南ブレインパーク※2」もリブランディングして2025年3月期より全国FC展開を進めるべくパートナーと交渉を進めている段階にあり、今後の動向が注目される。



※1 記憶力・思考力・判断力といった「考える力」に影響する重要な脳の領域である「前頭連合野」を0歳から徹底して鍛えることで、自発的に考え、行動し、問題解決能力を持った人へと成長させるための土台を築く育脳プログラムを提供している。

※2 育脳とSTEAM教育によって子どもたちの「たくましい知性」と「しなやかな感性」を伸ばし、これからの時代に必要な能力を開発する複合型の乳幼児向け教育スクール。





3. 中期経営計画の最終年度となる2026年3月期に営業利益率10%を目指す

2024年3月期からスタートした3ヶ年の中期経営計画では、「学びの個別最適化と教室力の強化」「付加価値の高い幼少教育事業の新展開」「教育格差を是正する教育ソリューション事業の積極的展開」「攻めの収益構造改革」「理念経営を具現化する人財の育成」の5項目を基本戦略として取り組み、最終年度となる2026年3月期に売上高6,780百万円、営業利益率10%の達成を目指す。2025年3月期以降は幼少教育事業におけるFC展開が本格化するほか、社会問題化している不登校生徒対策としてオンライン学習教材「デキタス」の導入が各自治体で進みつつあること、法人企業・団体向けの新サービスとして「みんなのまなびライブラリー※」の成長が期待されることから、低迷が続いた業績も成長軌道に復帰するものと期待される。



※BtoBtoCのデジタル学習ポータルサイト。グループが開発・運営する4つのサービスをオンラインで利用することが可能で、法人企業の顧客に向けたサービスの1つとして拡販を進める計画である。





■Key Points

・2024年3月期第2四半期累計業績は2期ぶりの増収増益に転じる

・2024年3月期業績は収益構造改革の効果で黒字転換見通し、「デキタス」が不登校生徒対策として各自治体で導入が進む

・付加価値の高い幼児教育事業でソリューション事業を拡大し、2026年3月期に営業利益率10%を目指す



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)