■業績動向



2. 2024年5月期通期の業績見通し

ファーストコーポレーション<1430>の2024年5月期通期は、売上高が前期比27.6%増の32,600百万円、営業利益が同5.7%減の1,870百万円、経常利益が同8.0%減の1,820百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同9.9%減の1,230百万円と増収減益の見通しであり、期初の予想から変更はない。売上高に関しては、完成工事高、不動産売上、共同事業収入と各事業が増収を見込んでいる。一方で、利益面は、建築資材価格の高止まりや、2023年5月期において事業用地確保が想定を下回ったため、造注比率が低下する見通しであることなどを受け、減益となる見通しだ。



事業区分別の業績見通しは、完成工事高が前期比8.1%増の21,400百万円、完成工事総利益が同12.6%減の2,013百万円を見込んでいる。期末に向けても新規案件の着工が見込まれており売上は安定して拡大する見通しだが、建築資材価格の高止まりや造注比率の低下などが利益に影響する見通しだ。



不動産売上高は前期比130.5%増の8,920百万円、不動産売上総利益は同80.2%増の1,140百万円を見込んでいる。2024年5月期第2四半期末時点の進捗率は22.2%だが、2023年12月には東京都新宿区の案件(子会社成約案件)を売却したほか、2024年3月には東京都世田谷区の案件の売却を見込んでいる。そのほか、北海道札幌市西区の案件なども売却に向けて交渉中であり、期中の売却に注力していく。



共同事業収入は、前期比83.0%増の2,050百万円、共同事業収入総利益は同9.9%減の317百万円を見込んでいる。2024年5月期第2四半期末時点の進捗率は8.1%だが、2023年12月にレ・ジェイドシティ橋本I・IIが完成引渡済みであるほか、2024年4月にはバウス東林間、5月にはバウス藤沢の竣工・引渡が予定されており、期末に向けて売上と利益が積み上がっていく見込みである。



業績予想の達成に向けては、不動産販売事業がカギとなる。期末に向けてさらに成約案件を積み増し、不動産事業の業績を拡大させる方針だ。なお、セグメント別の業績予想に関しては、建設事業の売上高とセグメント利益がそれぞれ前期比8.1%増の21,400百万円、同13.2%減の1,946百万円、不動産事業の売上高とセグメント利益が同119.6%増の10,970百万円、同65.3%増の1,130百万円、その他の売上高とセグメント利益が同69.4%減の230百万円、206百万円の損失(前期は3百万円の利益)を見込んでいる。



3. 財務状況

2024年5月期第2四半期末の財務状況を見ると、資産合計は前期末比1,533百万円増加の23,000百万円となった。これは主に、現金及び預金が2,656百万円減少した一方で、工事代金の計上・回収等により受取手形・完成工事未収入金等が2,425百万円、不動産の取得等により販売用不動産(仕掛含む)が1,598百万円それぞれ増加したことなどによる。



負債合計は前期末比1,487百万円増加の15,031百万円となった。これは主に、長期借入金が118百万円減少した一方で、短期借入金(1年以内返済予定の長期借入金含む)が596百万円、支払手形・工事未払金等が966百万円それぞれ増加したことなどによる。純資産合計は前期比46百万円増加の7,969百万円となった。これは主に、配当金の支払いにより利益剰余金が426百万円減少した一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益を計上したことにより利益剰余金が447百万円増加したことなどによる。



経営指標については、財務の健全性を示す自己資本比率は34.6%となった。前期末と比べると2.3ポイント減少しているが、問題のない水準と言える。また、1年以内に返済する必要のある負債に対する1年以内に現金化される資産の割合を示した流動比率が188.5%、返済義務のない自己資本に対する1年超えにわたって現金化しない資産の割合を示した固定比率が8.5%であり、資金繰りに問題はないと言える。さらに、利益剰余金もしっかりと積み上がっていることから、過去の業績が好調だったこともうかがえる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 清水陽一郎)