■今後の見通し



3. 中期経営計画

サイオス<3744>は2026年12月期までの3ヶ年の中期経営計画を発表し、SaaS事業の拡大・強化に加えて新規事業領域への取り組みを推進することで、利益成長と資本収益性の向上を目指す方針を打ち出した。2026年12月期の経営数値目標としては、EBITDAで880百万円、ROICで資本コスト※を大きく上回る24.3%を掲げた。資本コストを上回る資本収益性を維持すれば、投資家からの評価も高まり企業価値の向上(=株価上昇)につながりやすくなるため、今後も資本コストや株価を意識した経営を実践していく。



※同社は現時点での資本コスト(WACC)について7〜9%と認識している。





EBITDAとROICの向上施策としては、従来どおり事業基盤の強化(顧客満足度の向上、既存製品・サービスの強化、新製品・サービスの投入、M&A、ステークホルダーとの良好な関係構築)と財務基盤の強化(売上・売上総利益の伸長、販管費の最適化、有利子負債の圧縮)に取り組んでいく方針に変わりない。特に安定収益基盤となるSaaS事業の拡大・強化を推進していく。新規事業領域としては、APIソリューション事業や生成AIサービスの社内外での取り組みを推進することで新たな付加価値創出を狙う。これら取り組みによって創出されたキャッシュ・フローについては、株主やステークホルダーへの還元だけでなく、将来の成長に向けた人材や研究開発投資、イノベーションを生み出す企業カルチャーへの投資に振り向け、経営ミッションである「世界中の人々のために、不可能を可能に。」の実現を目指す考えだ。



2023年12月期の業績は先行投資や事業構造改革等に取り組んだことで、2期連続の損失を計上したが、Med Tech領域を除けば、各種SaaS事業は順調に成長を続けており、今後は安定収益基盤として同社の持続的な利益成長に貢献することを期待する。事業構造改革の継続だけでなく、経営基盤の強化につながるM&Aについても引き続き検討を進める方針で、2024年12月期以降は利益成長ステージに移行することが予想される。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)