■サイバーリンクス<3683>の業績動向



3. 官公庁クラウド事業

セグメント売上高は前期比28.0%増の6,778百万円、定常収入は同16.9%増の3,321百万円、セグメント利益は同26.4%減の524百万円となった。



ネットワーク工事案件が堅調に推移したことに加え、シナジーの連結開始で大幅増収となったが、損益面では、M&Aに係る償却負担(2.4億円増)によりセグメント利益は減益となった。一方、計画外の案件を効率的に進捗できたことなどから計画に対しては55%増となった。「事業内容としては予想以上に堅調であった」と同社は述べている。トピックスとしては、自治体向け電子認証サービス「マイナサイン」の本格展開(LoGoフォームと連携)を開始した。





「薬剤師資格証」に「CloudCerts」が採用

4. トラスト事業

セグメント売上高は前期比108.6%増の99百万円、定常収入は同112.4%増の79百万円、セグメント損失は235百万円(前期は236百万円の損失)となった。



デジタル証明書発行サービス「CloudCerts」が、2023年4月実施分より「TOEIC(R) Program」公開テストのデジタル公式認定証に採用され、5月より定常収入に貢献開始した。またこのリリース効果などにより他分野での引き合いも増加して増収となった。セグメント損失は1百万円改善した。



トピックスとしては、公益社団法人日本薬剤師会が発行する 「薬剤師資格証」のデジタル化に「CloudCerts」が採用された。国家資格を保持していることの証明書のデジタル化は国内初であり、同社の技術力が証明されたとも言える。



5. モバイルネットワーク事業

セグメント売上高は前期比35.7%増の3,523百万円、定常収入は同12.5%増の509百万円、セグメント利益は同72.8%減の45百万円となった。2022年末に買収した店舗の寄与などから増収となったが、NTTドコモからの支援費が減少した影響などによりセグメント利益は大幅減益となった。



依然としてNTTドコモの政策(店舗政策や支援費など)がはっきりしないことから、先行きに対しても不透明感が増している。そのため、2022年のM&Aに係るのれんの減損損失(209百万円)を計上した。





減損及び償却により「のれん」が大幅減、自己資本比率は56.3%へ上昇

6. 財務状況

2023年12月期末の資産合計13,053百万円(前期末比307百万円増)となった。このうち、流動資産は6,256百万円(同80百万円増)となったが、主に現金及び預金の減少324百万円、売掛金及び契約資産の増加215百万円、棚卸資産の増加112百万円などによる。固定資産は6,796百万円(同226百万円増)となったが、主に有形固定資産の増加119百万円、無形固定資産の増加100百万円、投資その他の資産の増加8百万円などによる。無形固定資産のうち、のれんは減損及び償却により同374百万円減少して663百万円となった。流動負債は3,295百万円(同440百万円増)となったが、主に買掛金の増加13百万円、短期借入金等の増加273百万円などによる。固定負債は2,330百万円(同459百万円減)となったが、主に長期借入金の減少409百万円などによる。この結果、負債合計は5,625百万円(同18百万円減)となった。純資産合計は、7,427百万円(同326百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加300百万円などによる。この結果、2023年12月期末の自己資本比率は56.3%(前期末は55.1%)となった。



7. キャッシュ・フローの状況

2023年12月期の営業活動によるキャッシュ・フローは1,155百万円の収入であったが、主な収入は税金等調整前当期純利益804百万円、減価償却費(のれん含む)825百万円、減損損失256百万円、仕入債務の増加12百万円などで、主な支出は、売上債権の増加215百万円、棚卸資産の増加112百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは1,164百万円の支出であったが、主な支出は有形固定資産の取得による支出514百万円、無形固定資産(主にソフトウェア)の取得による支出697百万円などであった。財務活動によるキャッシュ・フローは315百万円の支出であったが、主な支出は長短借入金の純減額136百万円、配当金の支払額143百万円などであった。



この結果、期中に現金及び現金同等物は324百万円減少し、現金及び現金同等物の期末残高は1,934百万円となった。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)