■はてな<3930>の業績動向



2. サービス別売上動向

(1) テクノロジーソリューションサービス

テクノロジーソリューションサービスの売上高は前年同期比11.7%増の1,095百万円と2ケタ増収ペースが続き、半期ベースで過去最高を更新した。「GigaViewer」を中心に受託サービスが同23.4%増の716百万円と好調に推移したことが主因である。一方、SaaSビジネスとなるサーバー監視サービス「Mackerel」は同5.2%減の378百万円と微減にとどまった。



受託サービスの大半を占める「GigaViewer」は、Web版が新たに「コミック・アーススター」((株)アース・スターエンターテイメント)に搭載され、合計16社、搭載累計22サービス(うち、1件はアプリ版)となった。これらメディアの構築・運用保守サービスや読者確保のための広告出稿代理サービスが順調に増加したことに加え、前期から開発が進んでいるアプリ版の大型案件も履行義務の充足によって一定期間にわたり売上貢献した。また、任天堂<7974>のソフト『スプラトゥーン3』のプライベートマッチ機能を利用した大会支援サービス「タイカイサポート」の開発など、複数の受託開発案件の納品及び検収が完了し、増収に貢献した。



一方、「Mackerel」についてはAWS(Amazon Web Services)のなかで、サーバー監視サービスとしての認知度向上に伴い新規顧客の獲得が進んだものの、主要顧客向けの売上が監視対象サーバー数の減少により落ち込んだこと(顧客企業が提供するサービスの規模縮小による)、また一部顧客において解約が発生したことなどが減収要因となった。



(2) コンテンツマーケティングサービス

コンテンツマーケティングサービスの売上高は前年同期比7.2%減の340百万円となった、売上高の内訳を見ると、システム構築・利用料や記事制作支援等が含まれるSaaS等が同1.6%減の229百万円、広告売上が同17.1%減の110百万円となり、広告売上の落ち込みが目立った。



「はてなブログMedia」の新規開設件数は7件、解約件数は5件となり第2四半期末の運用件数は前年同期末比15件増の144件となったが、1件当たりの平均月次売上高が前年同期の479千円から390千円と18.6%低下したことが減収要因となった。2023年4月より代理販売を開始した大手人材関連企業を通じた採用オウンドメディアに関しては、売上高が月額システム利用料(7.7万円/月)のみとなっていることや、記事制作など追加発注の多かったメディアが前期の前半に運用停止となり、相対的に単価の低い採用オウンドメディア等の成比が上昇したこと、一部の顧客において広告・マーケティング予算が縮減されたことにより広告出稿が手控えられたことが平均売上単価の低下要因となった。



ただ、第2四半期の後半以降は平均月次売上単価も持ち直しの兆しを見せ始めているようで、四半期ベースの売上高も前第4四半期の160百万円を底にして、2024年7月期の第1四半期は164百万円、第2四半期は175百万円と2四半期連続で増加するなど緩やかながらも回復基調に転じている。



(3) コンテンツプラットフォームサービス

コンテンツプラットフォームサービスの売上高は前年同期比15.7%減の186百万円と減収基調が続いた。「はてなブログ」の登録ユーザー数は前期末比16万人増の1,230万人と堅調に増加し、PV数も前年同期並みの水準を維持したものの、各種SNSの普及による競争激化によるアドネットワーク広告の単価下落が影響し、広告収入が同17.4%減の105百万円となったほか、「はてなブログPro」の有料課金サービスの平均単価下落によりSaaS等の売上も同13.5%減の80百万円と低迷した。なお、ブログの書き手を増やす施策として、2023年6月より、記事の有料販売機能※を全ユーザーで利用可能としたほか、同年12月には生成AI技術を活用して、本文の内容をもとに記事タイトルを作成・提案する「AIタイトルアシスト」をリリースした。いずれも売上面で顕著な効果は出ていないものの、利用者数は着実に増加しているもようだ。



※codoc(株)が提供するコンテンツ販売サービス「codoc」とアカウント連携することで、記事の単体販売及び月額・年額のサブスクリプションメニューの販売が可能となった。販売手数料15%を同社とcodocでレベニューシェアする。月額500〜1,000円程度のサブスクリプション販売が特に伸びているようだ。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)