28日の香港市場は、主要55銘柄で構成されるハンセン指数が前日比11.21ポイント(0.04%)高の29124.41ポイントと小反発する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は54.80ポイント(0.51%)安の10793.55ポイントと続落した。売買代金は1727億4300万香港ドルとなっている(27日は2505億200万香港ドル)。



内外の景気改善が改めて期待される流れ。米国では、週間の新規失業保険申請件数が予想以上に前週から減少している。中国では、全国工業企業の利益総額が今年4月に前年同月比で57.0%増加した。新型コロナウイルスのワクチン接種が米国や中国で進む中、経済活動の早期正常化も意識されている。ただ、上値は重い。このところの上昇を受け、売り圧力の高まり、この日の本土株安などが嫌気された。(亜州リサーチ編集部)



ハンセン指数の構成銘柄では、不動産デベロッパー香港大手の長江実業集団(CKアセット・ホールディングス:1113/HK)が6.0%高、金融大手グループのHSBC(5/HK)が3.8%高、中国政府系インベストメント会社の中国中信(CITICリミテッド:267/HK)が3.6%高と上げが目立った。長江実業は27日引け後、自社株TOBを同日付で締め切ったと報告。予定枠(3億8000万株)の108.17%に相当する4億1103万株分の応募があったと発表した。このため予定枠の上限で買い付けを実施する。



セクター別では、香港・本土の銀行が高い。上記したHSBCのほか、恒生銀行(ハンセン銀行:11/HK)が2.9%、スタンダード・チャータード(2888/HK)が2.8%、中銀香港(2388/HK)が2.3%、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が3.7%、招商銀行(3968/HK)と中国建設銀行(939/HK)がそろって1.8%ずつ上昇した。招商銀株は上場来高値を更新している。



海運セクターもしっかり。東方海外(316/HK)が6.2%高、中遠海運HD(1919/HK)が4.4%高、太平洋航運集団(2343/HK)が4.3%高、海豊国際HD(SITCインターナショナル・ホールディングス:1308/HK)が3.2%高で引けた。上海航運交易所が週ごとにまとめた中国(輸出)コンテナ貨物指数(CCFI)は、今月に入り算出開始以来の高水準を更新している。世界的な経済再開を見越し、運賃の先高観も強まる状況だ。



非鉄セクターも物色される。中国アルミ(チャルコ:2600/HK)が4.6%高、江西カン鋒リ業(ガンフェン・リチウム:1772/HK)が4.4%高、江西銅業(358/HK)が2.9%高、新疆新キン鉱業(3833/HK)が2.2%高と値を上げた。この日の上海期貨交易所(上海商品先物取引所)では、アルミや銅など主要商品の先物価格が高く推移している。



半面、「ニューエコノミー」関連銘柄はさえない。ITやハイテクなどで構成されるハンセン科技指数は2.1%安と反落した。主要な構成銘柄では、美団(メイトゥアン:3690/HK)が2.4%安、快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が2.1%安と値を下げている。



中国不動産セクターの一角も安い。中国恒大集団(3333/HK)が3.8%、雅居楽集団(3383/HK)が3.5%、合景泰富地産HD(1813/HK)が2.3%、世茂集団HD(813/HK)が2.0%ずつ下落した。



食品飲料や酒造、家電など消費セクターもさえない。統一企業中国HD(ユニプレジデント・チャイナ:220/HK)が2.1%、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が2.0%、青島ビール(168/HK)が2.2%、華潤ビールHD(291/HK)が1.6%、海爾智家(ハイアール・スマート・ホーム:6690/HK)が2.7%安、海信家電集団(921/HK)が2.5%安で取引を終えた。



一方、本土市場は5日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.22ポイント安の3600.78ポイントで取引を終了した。医薬品株が安い。ハイテク株、食品飲料株、不動産株、公益株、エネルギー株なども売られている。半面、証券株は高い。銀行・保険株、自動車株、非鉄株も買われている。





亜州リサーチ(株)