10日の香港市場は、主要66銘柄で構成されるハンセン指数が前日比62.87ポイント(0.29%)安の21806.18ポイントと小幅続落する半面、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は3.21ポイント(0.04%)高の7609.56ポイントと小反発した。売買代金は1803億4710万香港ドルにやや拡大している(9日は1637億260万香港ドル)。





欧米の金融引き締めが不安視される流れ。欧州中央銀行(ECB)は9日、量的緩和を7月1日に終了させ、利上げも同月に実施すると発表した。米国では高インフレを背景に、引き締めを加速させるとの見方も浮上している。ただ、下値は限定的。世界銀行や経済協力開発機構(OECD)など、有力シンクタンクが経済見通しを相次ぎ引き下げるなか、中国政府は景気腰折れを回避するための対策を強めるとの見方が広がっている。寄り付き直後に公表された5月の中国物価統計は、消費者物価指数(CPI)がプラス2.1%となり上昇率は市場予想をやや下回っている。一方、生産者物価指数(PPI)はプラス6.4%と予想通りだった。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、中国民営デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が8.6%安、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が3.8%安、ニット衣料中国最大手の申州国際集団HD(2313/HK)が3.1%安と下げが目立った。





セクター別では、海運がさえない。太平洋航運集団(2343/HK)が3.8%安、海豊国際HD(1308/HK)が3.3%安、東方海外(316/HK)が3.2%安、中遠海運HD(1919/HK)が1.4%安とそろって続落した。





石炭火力を主力とする発電セクターもさえない。華潤電力HD(836/HK)が3.6%安、華電国際電力(1071/HK)が1.8%安、華能国際電力(902/HK)が1.6%安、中国電力国際発展(2380/HK)が1.5%安と値を下げた。





半面、「ニューエコノミー」関連銘柄の一角はしっかり。ハンセン科技(テック)指数は1.6%高と急反発している。個別では、オンライン医療の京東健康(JDヘルス・インターナショナル:6618/HK)が6.2%高、医療サービス企業の阿里健康信息技術(アリババ・ヘルス・インフォメーション・テクノロジー:241/HK)が5.2%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(リ・オート:2015/HK)が4.7%高と上げが目立った。





自動車セクターも高い。上記した理想汽車のほか、五菱汽車集団HD(305/HK)が13.1%、長城汽車(2333/HK)が9.1%、吉利汽車HD(175/HK)が5.5%、比亜迪(BYD:1211/HK)が5.3%ずつ上昇した。





オンラインゲームの関連銘柄も急伸。中手遊科技集団(302/HK)が16.9%高、網龍網絡HD(777/HK)が11.6%高、金山軟件(キングソフト:3888/HK)が10.3%高、IGG(799/HK)が6.3%高と値を上げた。





太陽光や風力の再生可能エネルギー発電の関連銘柄群も物色される。協キン科技HD(GCLテクノロジー・ホールディングス:3800/HK)が5.4%高、陽光能源HD(757/HK)が2.6%高、中国高速伝動設備集団(658/HK)が3.1%高、新疆金風科技(2208/HK)が2.3%高で取引を終えた。





一方、本土市場は反発。主要指標の上海総合指数は、前日比1.42%高の3284.83ポイントで取引を終了した。消費関連株が高い。ITハイテク株、公益株、医薬品株、金融株、素材株、インフラ関連株、軍事関連株、エネルギー株、不動産株なども買われた。



亜州リサーチ(株)