連休明け2日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比39.24ポイント(0.20%)高の19933.81ポイントと4日続伸する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は21.94ポイント(0.33%)安の6680.21ポイントと4日ぶりに反落した。売買代金は754億5600万香港ドルと低調が続き、今年最低を記録している(4月28日は1015億1100万香港ドル)。





中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。先週開催された中国共産党の政治局会議では、内需の回復に力強さがないとして、経済支援スタンスを維持するスタンスが確認された。メーデー連休の消費活況もプラス。商務部のモニタリングによると、全国重点小売・飲食企業の売上高はメーデー当日(5月1日)、前年同期比で15.6%増加した。また、4月のマカオ・カジノ売上高が前年同月比で5.5倍に拡大し、新型コロナウイルス流行後の月次最多を記録したことも関連銘柄にとっての追い風となっている。ただ、上値は重い。中国景況感の悪化を懸念し、ハンセン指数もマイナス圏で推移する場面がみられた。4月30日に公表された4月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は49.2に低迷し、景況判断の境目となる50を4カ月ぶりに割り込んでいる。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が5.0%高、金融大手グループのHSBC(5/HK)が4.5%高、マカオ・カジノの銀河娯楽集団(27/HK)が2.2%高と上げが目立った。HSBCについては、前引け後に公表した決算が材料視されている。1〜3月期の税引き前利益は前年同期比で3倍に拡大し、四半期配当の再開が予定された。また、自社株買いの継続も表明している。後場に入り、株価は上昇幅を拡大させた。





セクター別では、マカオのカジノ関連が高い。上記した銀河娯楽集団のほか、新濠国際発展(200/HK)が3.6%、金沙中国(1928/HK)が1.8%、永利澳門(1128/HK)が1.7%ずつ上昇した。





有料道路など交通インフラ関連も物色される。四川成渝高速公路(107/HK)が11.9%高、浙江滬杭甬高速公路(576/HK)が4.8%高、江蘇寧滬高速公路(177/HK)が4.5%高、越秀交通基建(1052/HK)が2.8%高と値を上げた。





他の個別株動向では、ディーゼルエンジン生産のイ柴動力(2338/HK)が4.7%高。同社が報告した1〜3月期決算は、純利益が前年同期比で68%増えた。





半面、デベロッパーや管理サービスの中国不動産セクターは安い。合景泰富地産HD(1813/HK)が24.3%、雅居楽集団(3383/HK)が5.0%、広州富力地産(2777/HK)が2.6%、世茂服務HD(873/HK)が8.3%、融創服務HD(1516/HK)が8.1%ずつ下落した。不動産開発の合景泰富地産については、一部借入金の返済が期日までに出来なかったことを売り材料視している。





医薬品セクターもさえない。康希諾生物(6185/HK)が5.9%安、広州白雲山医薬集団(874/HK)が2.9%安、石薬集団(1093/HK)が1.5%安、中国生物製薬(1177/HK)が1.2%安で引けた。





一方、本土市場はメーデーにより1〜3日が休場となっている。



亜州リサーチ(株)