16日の香港市場は、主要76銘柄で構成されるハンセン指数が前日比7.12ポイント(0.04%)高の19978.25ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が9.29ポイント(0.414%)高の6789.37ポイントとそろって小幅続伸した。売買代金は783億9040万香港ドルに縮小している(15日は1016億2420万香港ドル)。





前日の好調地合いを継ぐ流れ。中国当局は金融緩和を含む追加支援策を打ち出すとの観測が流れているほか、国有企業株のバリュエーション見直しも期待されている。また、米債務上限問題の過度な警戒感が薄らいだこともプラスだ。ただ、上値は重い。中国景気の持ち直し遅れが懸念されている。取引時間中に公表された4月の各種経済統計では、小売売上高や鉱工業生産などが事前予想を下回った。ハンセン指数などは安く推移する場面もみられている。(亜州リサーチ編集部)





「ニューエコノミー」関連銘柄に買いが先行。ハンセン科技(テック)指数は0.8%高と他の指数をアウトパフォームした。個別では、電子商取引(Eコマース)大手の京東集団(9618/HK)が4.0%高、インターネット検索最大手の百度集団(9888/HK)が2.8%高、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が3.1%高と上げが目立っている。百度は本日、1〜3月期決算を発表する予定。業績の先回り買いが入った。





風力や太陽光など再生可能エネルギー発電の関連銘柄群も物色される。龍源電力集団(916/HK)が5.9%高、新疆金風科技(2208/HK)が3.4%高、信義光能HD(968/HK)が5.3%高で取引を終えた。1〜4月の発電量は、中国全体で前年同期比3.4%増加している。うち、風力は18.8%増、太陽光は7.5%増と拡大が目立った。ほか、電力設備の東方電気(1072/HK)が4.4%値を上げている。





医薬品セクターも高い。山東新華製薬(719/HK)が11.2%、康希諾生物(6185/HK)が3.6%、緑葉製薬集団(2186/HK)が3.3%、上海復星医薬集団(2196/HK)が2.5%ずつ上昇した。





半面、中国不動産セクターは安い。碧桂園HD(2007/HK)が5.0%、中国金茂HD(817/HK)が2.7%、広州富力地産(2777/HK)が2.1%、中国海外発展(688/HK)が1.7%ずつ下落した。1〜4月の不動産開発投資は6.2%減となり、1〜3月(5.8%減)からマイナス成長が拡大。予想(5.7%減)を上回る減少だった。





消費セクターもさえない。家電の創維集団(751/HK)が4.1%安、食品の康師傅HD(322/HK)が2.7%安、酒造の華潤ビールHD(291/HK)が2.4%安、スポーツ用品の李寧(2331/HK)が2.3%安、免税店の中国旅遊集団中免(1880/HK)が1.8%安で引けた。





一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.60%安の3290.99ポイントで取引を終了した。消費関連株が安い。不動産株、金融株、素材株、インフラ建設関連株、公益株、メディア・娯楽株なども売られた。半面、医薬品株は高い。エネルギー株、半導体株、電力設備株も買われた。



亜州リサーチ(株)