6日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比9.22ポイント(0.05%)安の19099.28ポイント3日ぶりに小反落する一方、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)は15.74ポイント(0.24%)高の6479.64ポイントと3日続伸した。売買代金は1024億8890万香港ドルと低水準が続いている(5日は999億60万香港ドル)。





様子見ムードが漂う流れ。指標発表前に、買いが手控えられた。中国国内では今週から来週にかけ、5月の重要経済指標の発表が相次ぐ。あす7日は貿易統計、9日は物価統計、15日は鉱工業生産や小売売上高、15日までに金融統計などが予定されている。もっとも、下値は限定的。中国経済対策の期待感が相場を支えた。一部外電が2日、「中国政府は不動産業界を支援する一連の措置を検討している」と報じたことなどが改めて材料視されている。また、中国国務院(内閣に相当)は2日の常務会議で、新エネルギー自動車(NEV)購入減税の延期などで「新エネ消費」を支援するスタンスを改めて示した。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、電動工具メーカー大手の創科実業(669/HK)が4.7%安、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が3.3%安、中国政府系の華潤電力HD(836/HK)が3.0%安と下げが目立った。創科実業については、ショートセラー(空売り投資家)のターゲットにされたことも不安視。香港メディアが6日報じたところによれば、ショートセラーのヨシャファト・リサーチはこのほど、「創科実業が少なくとも4年間にわたり、米ホーム・デポに対して大規模な詐欺行為を行っていた」とするネガティブなリポートを発表した。





セクター別では、中国の発電が安い。上記した華潤電力のほか、華能国際電力(902/HK)が3.8%、華電国際電力(1071/HK)が3.7%、中国電力国際発展(2380/HK)が2.0%ずつ下落した。





医薬品セクターもさえない。百済神州(6160/HK)が4.4%安、四環医薬HD集団(460/HK)と山東新華製薬(719/HK)がそろって2.4%安、康希諾生物(6185/HK)が1.9%安と値を下げた。





半面、管理サービスやデベロッパーの本土不動産セクターは急伸。龍湖集団HD(960/HK)が7.8%高、碧桂園服務HD(6098/HK)が7.0%高、碧桂園HD(2007/HK)が6.2%高、中国海外発展(688/HK)が4.4%高で引けた。





自動車セクターも高い。小鵬汽車(9868/HK)と浙江零ホウ科技(9863/HK)がそろって4.2%、長城汽車(2333/HK)が4.0%、理想汽車(2015/HK)が3.3%ずつ上昇した。業界団体が5日発表したところによれば、新エネルギー自動車(NEV)メーカーの乗用車卸台数は今年5月、前年同月比で59%増加し、月次ベースの年初来最多を記録している。また、ピックアップトラック・SUV生産の長城汽車は5日引け後、今年5月の新車販売台数が前年同月比で26.2%増加したと報告した。





一方、本土市場は4日ぶりに反落。主要指標の上海総合指数は、前日比1.15%安の3195.34ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。発電株、医薬品株、消費関連株、エネルギー株、素材株、運輸株、不動産株、軍事関連株、銀行株なども売られた。



亜州リサーチ(株)