29日の香港市場は、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前日比360.70ポイント(2.08%)安の16993.44ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が138.21ポイント(2.32%)安の5818.87ポイントとそろって4日続落した。ハンセン指数は約5週ぶりの安値水準に落ち込んでいる。売買代金は1301億6490万香港ドルに拡大した(28日は950億940万香港ドル)。





投資家の慎重スタンスが継続する流れ。中国では影の銀行(シャドーバンキング)の債務問題や、不動産支援策実行に対する不透明感などが依然としてくすぶっている。不動産業界支援を巡っては、中国当局が国内金融機関に対して融資強化を要請。アナリストからは、銀行各社が2024年に業績の悪化を強いられる恐れがあると警鐘が鳴らされた。試算によれば、大手10行は2024年に不動産関連の不良債権に絡む890億米ドル(約13兆円)規模の引当金計上を迫られる恐れがあるという。また、中国であす30日、11月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が公表される予定。PMIは前回から改善するとみられているが、27日発表された今年10月の工業企業利益総額は前月から大幅に鈍化しているだけに、結果を見極めたいとするスタンスも漂った。米長期金利の低下基調を好感した買いが先行したものの、指数は程なくマイナスに転じている。(亜州リサーチ編集部)





ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が12.2%安と急落。同社が報告した7〜9月期決算は実質6割増益と堅調だったが、10〜12月期のデリバリー収入鈍化を自社予想したことが嫌気された。





セクター別では、中国の不動産が安い。中国恒大集団(3333/HK)が10.4%、遠洋集団HD(3377/HK)が6.9%、越秀地産(123/HK)が5.7%、建発国際投資集団(1908/HK)が4.4%ずつ下落した。





中国金融セクターもさえない。中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が3.1%安、招商銀行(3968/HK)が2.5%安、中国太平洋保険集団(2601/HK)が3.7%安、中国平安保険(2318/HK)が3.6%安、広発証券(1776/HK)が6.1%安、華泰証券(6886/HK)が5.2%安で引けた。





中国自動車セクターも売られる。中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が9.2%安、華晨中国汽車HD(1114/HK)が3.8%安、比亜迪(1211/HK)が3.3%安、浙江零ホウ科技(9863/HK)が2.7%安と値を下げた。





半面、産金セクターはしっかり。招金鉱業(1818/HK)が5.3%高、霊宝黄金(3330/HK)が4.0%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が3.6%高、中国黄金国際資源(2099/HK)が3.3%高で取引を終えた。昨夜のニューヨーク市場では、金先物相場が急伸。一時、5月以来の高値を付けた。





一方、本土市場は反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.56%安の3021.69ポイントで取引を終了した。不動産株が安い。金融株、消費関連株、医薬株、インフラ関連株、ハイテク株、公益株、素材株、メディア・娯楽株なども売られた。



亜州リサーチ(株)