夏休みは、子どもに手伝いをさせながら家事を教えるいい機会だ。宿題の一つにした県内の学校もある。身に付けておけば、親の留守や病気のときなどに役立つ。当たり前のように男女の性別役割分担を固定してしまっている家庭もあるはずだ。特に男子の「お手伝い力」を高めてあげてほしい。 最近は育児に積極的な男性を呼ぶ「イクメン」と並び、「カジメン」も注目される。婚活(結婚活動)では評価が高い。多くの男性が家庭での責任を女性と分かち合うようになれば、国の掲げる「すべての女性が輝く社会」実現へ進む。まずは家庭から「家事男子」を増やしたい。 家事は大人になって急にできるものではない。子どもの頃の手伝いの積み重ねで習得していく。ただ、子どもにやらせると、手間も時間もかかり、面倒に思うだろう。だから、忙しい親ほど一人で奮闘しがちだ。その結果、子どもは手伝いの機会を逃したままになる。きょうだいの中でも、家事を女子に頼る場面が多くないだろうか。 手伝いは、年齢に合わせて食器や洗濯物の片付けなど簡単なことから始めさせたい。要領を覚えてくれば、親にとって頼もしい存在になる。家事男子は将来、女性が社会に参画するためのハードルを下げる協力者となれる。 男性の家事・育児への参加度合いは依然低い。総務省が6歳未満の子どもを持つ親を対象にした調査では、1日当たりで男性は67分に対して、女性は461分となっている。家事・育児が得意でも、長時間労働などで力を発揮できない男性もいるだろう。それにしても女性の負担は圧倒的に重い。国や企業の働き方改革が進み、残業が減ったり、定時退社が増えたりしても、家で相変わらず「上げ膳、据え膳」の姿では困る。子どもに対しても、いい手本にはならない。 職場によっては、家事や育児を優先する生き方に対して「昇進に関心のない人」「仕事への情熱を失った人」などと周囲から誤解される恐れがある。国は、女性活躍推進の一環として男性の暮らし方や意識改革に乗り出す。企業と連携した啓発活動や世論の形成、講座開催などに取り組むという。習慣や経験のない男性を目覚めさせるのは容易ではない。むしろ家庭の協力を得て国を挙げて「家事男子」の育成に取り組むべきだ。 文部科学省が中心になって進める「早寝早起き朝ごはん」運動は県内の学校でも広がる。「お手伝い」が加われば申し分ない。(多田勢子)