太平洋戦争中にフィリピン・ルソン島で戦死した旧石城郡田人村(現いわき市田人町)の高野正二(まさに)さん=享年(27)=が戦地で所持していた日章旗が米国で見つかり、10日に遺族に返還された。戦後72年目に遺品が古里に戻り、遺族や遺族会関係者が戦没者の冥福を祈った。 日章旗を受け取ったのは田人町在住でおいの高野学さん(59)。学さんによると、正二さんは陸軍軍曹として戦地に赴き、1945(昭和20)年4月に戦死した。旗の大きさは縦70センチ、横85センチで、田人町内の神社で家族や地域住民が武運を願って書いた寄せ書きが記されている。 日章旗は米軍兵が持ち帰ったが、旧日本兵の遺留品を遺族に届ける活動をしているNPO団体「OBON(オボン)ソサエティ」(本部・米オレゴン州)を通じて返還された。旗には「田人」の文字があり、いわき市遺族連合会や田人町遺族会が返還先の確認に当たった。 市田人支所で返還式を行い、田人町遺族会の緑川平寿会長が学さんに日章旗を渡した。市遺族連合会の清水良祐会長と田人町遺族会の緑川美水監事、学さんの妻紀美代さんが同席した。学さんは「返還に尽力していただいた関係者に感謝している。伯父も喜んでいると思う」とあいさつした。 連合会などによると、同NPOの活動で県内ゆかりの戦没者の遺族に日章旗が返還されるのは3例目で、市内では初という。