万世大路(8月14日)福島市から13号国道で米沢市に向かうと、東北中央自動車道の橋梁[きょうりょう]などが姿を見せている。歴史ある街道は新たな「万世大路」として、今年度内の開通を目指して工事が進む。交通の難所である栗子峠の道づくりは、トンネル工事の歴史でもあった。人馬交通が中心だった1881(明治14)年に、当時として最長の栗子隧道[ずいどう]が、ほぼ山頂近くに完成した。その後、車が通れるよう改良されたが、冬は通行できなかった。現在の13号国道が開通したのは1966(昭和41)年。西栗子トンネルは隧道よりさらに約220メートル低い場所を貫いた。それから半世紀。東北中央道に整備された栗子トンネルは全長8972メートルと東北最長。西栗子トンネルよりさらに190メートル下を通る。現在は大雨や風雪で通行止めになることがあるが、栗子トンネルの完成でより安全に通行できる。新しいトンネルの米沢側坑口近くに万世大路記念碑公園がある。「幾世代(万世)にも亘[わた]って永く頼れる道路(大路)になれ」との願いを込め明治天皇が命名された。公園には栗子隧道を手彫りした「ノミの跡」のレプリカがある。先人の思いは万世大路に流れ続ける。