川内村に初夏の訪れを告げる村三大祭りの一つ「かわうち高原ドウダン祭り」は六月、東日本大震災と東京電力福島第一原発事故後初めて開催される。十一年ぶりの復活。村西部の高塚高原に群生している村の花「サラサドウダン」を楽しんでもらうとともに、お笑い芸人のヒロシさんによるトークショーなどを繰り広げる。高原にあるキャンプ場の魅力を発信し、原発事故で被害を受けた村の観光再生と交流人口拡大につなげる。


 高塚高原は標高一、〇六六メートルの高塚山を中心にした景勝地で、十区画のキャンプ場、遊歩道がある。祭りは、淡紅色のかれんな花を咲かせるサラサドウダンの見頃に合わせ毎年六月に開かれ、震災前は五百人を超えるハイカーらでにぎわった。

 他の三大祭りである「天山祭り」と「かわうち祭り」はすでに開催されているものの、ドウダン祭りは登山道の除染やキャンプ場の設備復旧のため再開が遅れていた。二〇一九(令和元)年の台風19号では高原に通じる道路が不通になったが、昨年復旧工事が終了。震災から十年の節目に祭りの再開を決めた。

 祭りは村や村観光協会でつくる実行委員会の主催。六月十三日午前九時から午後二時まで、キャンプ場の管理棟周辺で開く。全国的なキャンプブームをけん引するヒロシさんがソロキャンプの魅力を紹介するほか、遊歩道探索ツアーや特産品の販売を催す。新型コロナウイルス感染防止対策のため、来場は県内在住者に限定する。

 かつて県自然保護指導員として高原周辺の案内をしていた大山五郎さん(81)は「原発事故前は初夏になるとハイキングをする多くの人でにぎわった。祭りをきっかけに人が戻り、豊かな自然や高原の雄大な眺めを楽しんでほしい」と願った。