南会津町では今年度、町内の森林を乗馬で周遊する「ホーストレッキング」を新たな観光の商品として売り出す取り組みが始まる。森林を活用した地域づくりなどを手掛ける町内の合同会社SCOPが南相馬市のNPO法人相馬救援隊と連携する。新型コロナウイルス感染収束後を見据え、首都圏など国内の観光客をターゲットにし、地域資源を生かした活性化の起爆剤にする。

 SCOPによると、欧米ではホーストレッキングが観光誘客につながっている他、森林浴やホースセラピーなどで癒やしをもたらす効果もあると注目を集めている。南会津町によると、町内の森林には合計約三百六十三キロにわたって林道が網目状に張り巡らされており、この林道の一部を活用する。

 SCOPは昨年十一月までに町内針生地区で馬に乗って森林を周遊する試験を三回にわたって実施した。相馬野馬追に参加した馬を含む引退競走馬計三頭を用いた。

 今年度は夏と秋に開催する計画で、東京都の大手旅行代理店を通じ参加者を募る予定。現在は針生地区に三頭分の厩舎など拠点となる設備を整備中。自然体験ができる点をPRし、教育旅行も誘致したい考え。

 SCOPは調教師など馬に関わる人が町内に移住できる環境整備も狙う。将来的には針生地区周辺の空き家を改修して関係者や観光客の宿泊施設に活用することで空き家解消にもつなげる。

 事業化に携わる相馬救援隊の中沢巧(こう)さん(40)は「引退競走馬のセカンドキャリアの場になると期待している。一般の人と馬が触れ合える貴重な機会になってほしい」と話す。企画したSCOP代表社員の松沢瞬さん(33)は「南会津地方が持つ広大な森林を活用する新たな手段になる。地域活性化につなげていきたい」としている。