どんづまり(7月17日)福島市と浪江町を結ぶ道は明治時代、県道に編入され「富岡街道」と命名された。現在の114号国道だ。「陸の孤島」と揶揄[やゆ]された双葉郡と県都を結ぶ重要な道だった。原発事故後、浪江方面へ向かうと「通り抜け不可」という電光掲示が現れ、浪江町に入れば鉄製ゲートが立ちはだかる。どんづまりだ。ゲート6キロ手前の川俣町山木屋に「とんやの郷」がオープンした。かつて中継地として栄え、地元で「とんやめぇ」(問屋前)と呼ばれた地名から名付けられた。川俣シャモなどを味わえる食堂と、小売店がテナントとして入る。日曜日は休みだが、土曜日には遠方の客も詰め掛ける。震災前は急カーブの連続でドライバーを悩ませた川俣町の小綱木地区もトンネルが貫きバイパス化された。浪江町は今秋にも114号国道全線で一般車両が通行できるように政府と協議に入る。県北地方と双葉郡を結ぶ幹線の再開が復興を加速させると期待が高まっている。県北地方に避難する富岡町民は「富岡街道」の名前に特別な思いを抱くのだろう。「震災から6年がたち、避難生活はどんづまりだが、富岡街道が通れば古里に帰るきっかけになる」。復活を願う声は多い。