福島国際研究教育機構(エフレイ)は1日、県のロボット研究開発拠点「福島ロボットテストフィールド(ロボテス)」(南相馬市、浪江町)を統合した。エフレイが所有する実証施設の第1号となり、重点の一つに掲げるロボット分野の拠点として、廃炉や災害現場など過酷環境下で活動するロボットやドローンの研究開発につなげる。

 南相馬市の同施設で1日、統合を記念するセレモニーが行われ、エフレイの山崎光悦理事長、運営を担う福島イノベーション・コースト構想推進機構の戸田光昭専務理事、ロボテスの鈴木真二所長らが出席した。山崎理事長は「南相馬市に加え、浪江町にも滑走路があるのがこの施設の強み。われわれの技術をここでしっかりと確立し、実証をしながら社会実装へとつなげたい」と述べた。

 ロボテスには、エフレイの研究者が実験準備を行う実証準備棟(仮称)が整備される方針。ロボットやドローンの研究機材の組み立てや調整、保管スペースなどを設ける計画で、研究者の一時滞在スペースとしての利用も想定している。

 また、エフレイには同日、日本原子力研究開発機構(JAEA)と国立環境研究所の放射性物質の環境動態に関する研究部門の一部も統合された。

 環境動態部門の研究拠点となる三春町の県環境創造センター研究棟では、山崎理事長と同センターの郡司博道所長らが入り口に設置された看板を除幕。山崎理事長は一体的に取り組む研究テーマとして放射性物質が移行する仕組みの解明や生活圏での被ばく線量に関するリスク評価などを挙げ「しっかりと成果を出し、地域、世界に発信していく」と語った。

 ユニットリーダーに3人

 エフレイは1日、ロボット分野と原子力災害に関するデータ・知見の集積・発信分野で新たに3人の研究代表者(ユニットリーダー)が決まったと発表した。

 新たにユニットリーダーに就いたのは、ロボット分野で鈴森康一東京科学大名誉教授、原子力災害に関するデータ・知見の集積・発信分野で林誠二国立環境研究所福島地域協働研究拠点研究グループ長、高村昇長崎大原爆後障害医療研究所国際保健医療福祉学研究分野教授。林氏はエフレイに統合した国立環境研究所と日本原子力研究開発機構(JAEA)の放射性物質の環境動態部門を率いることになる。

 鈴森氏は、災害時の人命救助などで活用できる頑丈さと繊細さを兼ね備えた「パワーソフトロボティクス」の研究開発に取り組む。

 林氏は、放射性物質の移動のメカニズムの解明を図り、本県の環境回復と復興につなげる。

 高村氏は、原子力災害にについて医科学や公衆衛生学的視点からリスクコミュニケーションの在り方などの研究を進める。

 ユニットリーダーは計12人となった。