国の文化審議会は21日、ぬる湯温泉旅館(福島市)の3件、旧鍋三本店(きゅうなべさんほんてん)(会津若松市)の2件、高島家住宅(南相馬市小高区)の2件、有賀家住宅蔵座敷・控えの間(石川町)の1件の県内8件を含む244件を登録有形文化財(建造物)として登録するよう松野博一文部科学相に答申した。答申通り登録されれば、県内の登録有形文化財は60カ所、175件となる予定。
 ぬる湯温泉旅館は二階堂古家棟、中座敷棟、帳場棟の3件。同旅館は福島市西部の温泉施設で、二階堂家が1803(享和3)年から湯治場を営む。古家棟はかやぶきの片面を半切妻造りとする地域特有の外観で、中座敷棟は外壁を下見板張にして額縁の窓を開く和洋折衷の意匠。帳場棟も欄間など意匠に富む。
 旧鍋三本店(星野家住宅)は客座敷と土蔵の2件。会津若松市の鶴ケ城西方に位置し、元材木商で酒造業も営んだ。客座敷は吟味された良材を用いた近代和風建築で、土蔵は重厚な構えの外観となっている。
 高島家住宅はコンクリート蔵、門と塀の2件。コンクリート蔵の2階内部は洋風漆喰(しっくい)塗意匠でまとめた蔵座敷。門と塀はレンガ造りで、上部はレンガを抜いて見た目を変えており、地域の歴史的景観を今に伝える。
 有賀家住宅蔵座敷・控えの間は、御斎所街道沿いに敷地を構える。冠婚葬祭などに使われていた蔵座敷は1階を座敷2室とし、銘木を用いた欄間など意匠を凝らす。