全国高校総合体育大会(インターハイ)「南東北総体2017」メイン会期第3日は30日、山形県天童市のNDソフトスタジアム山形で陸上の男子1500メートル決勝が行われ、半沢黎斗(学法石川3年)が日本高校歴代2位となる3分44秒57で初優勝を果たした。
 最後の直線で、ライバルの意表を突くインコースから一気に先頭に躍り出た。競技場のアナウンスが聞こえなくなるほどの集中力。半沢は両手を突き上げ、夢中でゴールに飛び込んだ。
 同種目は、2015(平成27)年に田母神一喜(中大)、16年に遠藤日向(住友電工)が制覇した学法石川のお家芸。「"3連覇"を目指して練習してきた。言葉にならないほどうれしい」。レース後、半沢は背中を追い掛け続ける先輩の姿を脳裏に浮かべ喜びを表現した。
 無名の逸材がつかんだ日本一の称号でもあった。最上級生となり競技に対する意識が高まり、著しい進化を遂げている。予選と決勝では大会前の自己ベストを7秒以上更新。「雲の上の存在」と評する先輩2人を上回り、県高校記録を塗り替えた。同校陸上部の松田和宏顧問(43)は「苦しくなってから自分を追い込めるようになった」と成長に目を細める。
 広野町出身の半沢は、広野小5年生の時に原発事故でいわき市への避難を経験。高校からは寮生活の日々。そんな中でも欠かさず応援に駆け付けてくれる両親や、自身を育ててくれた恩師への感謝を口にする。
 「自分よりも強い後輩がたくさんいるので、来年も優勝してくれるはず」と半沢。全国屈指の強豪校となった学法石川の勝負強さやスピードは次世代に脈々と受け継がれる。