須賀川市長沼地区の復興のシンボル「奇跡のあじさい」を通して交流を続ける同市の長沼中と、昨年の熊本地震で被災した熊本県宇土(うと)市の住吉中の生徒が4日、同県天草市で初めて対面した。長沼中から住吉中にアジサイの苗が贈られて間もなく1年。生徒らは東日本大震災と熊本地震の被災地の現状を説明し、復興への思いを語り合った。
 両校の生徒はそれぞれの被災状況や現状を発表した。長沼中は東日本大震災で決壊した地元の農業用ダム「藤沼湖」(藤沼ダム)や東京電力福島第1原発事故で現在も続く風評被害などについて説明。藤沼湖の湖底から見つかった「奇跡のあじさい」が同地区の住民の心をつなぎ留めたことや、全国からの支援に対する感謝の気持ちなどを語った。
 住吉中は昨年4月の熊本地震で体育館が被災し、校舎が避難所になるなどした。同校3年で生徒会長の河野祐佳(ゆうか)さん(14)は「震災時、家に帰れなくなり、1週間くらい車中泊をした」と振り返った。昨年9月に「心の復興支援」として長沼中から贈られたアジサイについて、河野さんは「咲いた時はとてもうれしく、長沼中とのつながりを感じた」と語り、住吉中の佐渡(さわたり)清校長(57)は「近隣の小学校にもアジサイを広めたい」と、復興のシンボルとして活用する意向を示した。
 この後、長沼中の生徒が地元の伝統行事「長沼まつり」に出る、ねぷたなどを描いたうちわの入ったパネルを"友好の証し"として住吉中に贈った。長沼中3年の広田綺里(あやり)さん(15)と吉田真歩さん(14)は「これからも長く交流が続いてほしい」とうちわに込めた願いを説明。同校3年で生徒会長の高久勇斗さん(15)は「これまでの歩みを伝えられた。共に前に進みたい」と今回の訪問の意義を語った。
 長沼中の生徒らは5日、熊本地震で損傷した熊本城などを訪れる。