東京電力福島第1原発事故による避難指示が4月に解除された富岡町下郡山の浄土宗浄林寺で6日、お盆を前に先祖の霊を供養する恒例の「大施餓鬼会」が開かれた。
 檀信徒ら約200人を前に、薬師寺(奈良市)の大谷徹奘副執事長が法話し、被災者に届けたい言葉として「自覚悟(じかくご)」を持つことの重要さを説いた。
 全国で法話をしている大谷氏は、特に本県などの被災地に心を寄せ、何度も足を運んでいる。大谷氏は自覚悟の意味について「自分でも自分の心が分かり、それに目覚めることだ」と解説した上で「自分のありようを見るべきだ。幸せの条件はいくらでもあるが、自分の夢のために自分の命を使うよう腹をくくることが大切となる」と強調した。
 被災者に対し「被災を受けた人がどのような姿を見せるかによって、この国の未来が変わる」と語り掛け「歯を食いしばって頑張ってほしい。お互いに一生懸命生きる姿は、子どもたちに伝わっていく」と述べた。
 浄林寺は原発事故による旧警戒区域が再編され、日中に限って立ち入りが認められるようになった2013(平成25)年から大施餓鬼会を再開。少しずつ周辺の環境回復に努めてきた。
 早川光明住職は「各地に散り散りとなった檀信徒同士の出会いの場になる。今後も法灯を絶やさず、古里への思いをつなぎ留めていきたい」と心境を語った。
 大谷氏と早川住職は親交が深く、楢葉町で3月12日に開かれた「福島まほろば塾inならは」(福島民友新聞社、薬師寺まほろば塾の主催)の東日本大震災七回忌法要で犠牲者の冥福を願って読経した。