サッカートレーニング施設として2019年4月の全面再開が計画されているJヴィレッジ(楢葉、広野町)に近接した常磐線の新駅の設置について、県、双葉地方町村会、JR東日本の3者は22日、同新駅事業に関する基本事項を定めた覚書と調査検討に関する協定書を締結した。3者は同新駅の設置についての方向性は共有しており、来年2月を終了めどとしたJR東の調査の結果を踏まえ、18年度中の着工、19年度早期の開業に向け、最終判断する。
 Jヴィレッジの現在の最寄り駅は北側に直線距離で約2キロ離れた常磐線の木戸駅(楢葉町)。広野(広野町)―木戸間の新駅設置により、交通アクセスが向上、施設の利用促進による交流人口の拡大と復興の加速化が期待される。県と同町村会は11月、JR東に対する新駅設置の要望活動を実施。JR東が22日までに、県と同町村会に「新駅の設置に向けて検討を開始する」との回答を伝え、同日の締結に至った。
 協定の締結を受け、今後は3者間で新駅の図面などの情報が共有される。最大の焦点は事業費で、水面下で行われた事前協議による試算では十数億円とみられるが、3者が3分の1ずつ負担する方向で基本合意している。地元自治体から要望された新駅事業について、JR側が事業費の一部を負担するのは異例で、県エネルギー課は「JR東にとっては復興支援、地域貢献の意味合いもある」と評価している。
 「日本サッカーの聖地」と呼ばれたJヴィレッジは東日本大震災前まで年間約50万人が訪れていたが、東京電力福島第1原発事故で前線拠点となった。県などの再生計画では、18年夏に一部を先行再開するため、グラウンドの天然芝の張り替えが本格化。19年4月の全面再開に合わせた「新生Jヴィレッジ」の核として、グラウンド1面分の広さでは国内初となる全天候型サッカー練習場を建設する。