福島医大病態制御薬理医学講座の研究グループは22日、幼若期の動物の食欲を促進する脳のメカニズムを明らかにしたと発表した。研究グループによると、人間を含めて最も成長が著しい幼若期は、食欲を抑制する神経細胞の「GABA」が未発達で食欲を抑えにくいため、たくさん食事を取ることで成長に必要なエネルギーを補っていることが分かった。
 研究グループは、遺伝子異常などでGABAの発達がより阻害され、成長に適した食欲を制御できず過食や肥満になる可能性も指摘。前島裕子特任教授(40)は「子どもの重度肥満に、GABAがうまく発達しないことが関わっている可能性がある」と、さらに研究を進める考えを示した。
 研究に携わったのは同講座の前島特任教授と、下村健寿主任教授(47)、堀田彰一朗講師(36)、横田祥子助手(36)。研究成果が14日、米科学誌サイエンティフィック・リポーツに掲載された。
 実験では、成体ラットと離乳直後の幼若ラットを用いた。成体は、嗜好(しこう)性の高い高脂肪食を与えると、普通食を与えたものに比べ体重が増加したが、幼若はいずれを与えても体重に差がなく、摂取できる最大限のエネルギーを取ることが分かった。
 このため食欲に関わる神経細胞が混在する脳領域を分析。食欲を促進する「ドーパミン」の数や作用は成年、幼若で大きな差がなかったが、GABAは幼若期で数や形態に未発達な部分が確認された。