新型コロナウイルスの感染拡大を受け、県内の中学校、高校で修学旅行の延期や計画変更が相次いでいる。県内に出ていたまん延防止等重点措置などは今月で全て解除されるが、感染再拡大の可能性もあり、学校関係者は頭を悩ませる。
 県中地方にある県立高。新型コロナ感染拡大を受け、当初は今月下旬に関西地方で予定していた2年生の修学旅行先を、感染者が比較的少ない別の地方に変更した。感染防止の対策も準備したが、全国的な感染拡大を受けて8月下旬、一部の保護者から参加する生徒の安全確保に疑問の声が上がった。学校は当面の延期を決め、今も具体的な計画は決まっていない。同校の教頭は「生徒たちのために何とか実施したい気持ちはある。今後の状況を見極めたい」と話す。
 県中地方の別の県立高も「感染リスクが高い場所は避けたい」と、11月に広島・関西方面で予定していた修学旅行を白紙に戻した。延期や実施の可否を検討しているが、中止した場合は旅行会社へのキャンセル料がかかる。学校関係者は「家庭の負担も考えると、中止の判断はできないだろう」と漏らす。「高校の修学旅行は一生に一度。良い思い出になるよう大人が知恵を絞りたい」。県内では年内の修学旅行を断念し、実施を年明け以降に延期した学校もある。
 中学校も状況は変わらない。本宮市の中学校3校は3年生が例年、関東圏で修学旅行を行っていた。しかし今年は、10月以降に2泊3日で東北の近隣県を巡る予定に変えた。市教委の担当者は「修学旅行は子どもたちの大切な学びの場でもある。可能な限り実施できるよう感染対策や日程を各校で十分に協議した」という。ただ感染が再び拡大すればそれも危うくなる。3年生は受験を控えており、「今後各県で感染者が増えた場合、12月以降にさらに延期するのは難しいだろう」と話す。
 受け入れ県内観光地も影響
 修学旅行や遠足など教育旅行を受け入れる県内観光地では延期や予約のキャンセルが相次ぐ。
 県内外からの修学旅行や遠足先として人気の会津若松市。例年なら9月は教育旅行が増えるが、今年は児童、生徒の姿は少ない。赤べこの絵付け体験を行う観光施設「民芸処 番匠」では今月の絵付け体験の申し込みは約280人。例年は約3000人の申し込みがあり、10分の1以下だ。須藤繁雄社長(74)は「学校からの延期やキャンセルを伝える電話が多い。震災があった2011年以来の少なさで、静かな9月になってしまった」と肩を落とす。
 昨年度は全国的な感染拡大の影響から、当初の行き先を変更して会津若松市を選択するという動きがあった。市のまとめでは、昨年度の教育旅行来訪者は県内外1152校から5万9459人で、コロナ前の一昨年と比べても微増。特に栃木県からの来訪者が20倍に増えるなど変化もあった。
 ただ今年は、県内も含めた全国的な第5波の影響が同市にも及んでいる。須藤社長は「一日も早くコロナが収束し、元の教育旅行ができる世の中になってもらいたい」と話した。