未明の商店街で女性を刺した71歳の男を、犯行に駆り立てた動機とは。

事件発生から41時間後。

強盗殺人未遂の疑いで逮捕された、近江良兼容疑者(71)。

「事実、間違いありません」、「金をとる目的だった」。

11日未明、神奈川・横浜市の大口通商店街で、帰宅途中の34歳の女性が背後から複数回刺され、全治1カ月の重傷を負った事件。

近江容疑者は、金をとる目的で女性を襲い、殺害しようとした疑いが持たれている。

商店街から、およそ700メートル離れた住宅街の一軒家に暮らしていた近江容疑者。

逮捕のきっかけとなったのは、数々の防犯カメラ映像だった。

事件直前、人通りの少ない商店街を、つえをつきながら、すたすたと早歩きで通り過ぎていく男。

別のカメラには、さらに男が国道を渡り、真っすぐに事件の現場方向へと向かう様子も残されていた。

実はこの時、近江容疑者は、横断歩道を少し小走りするような形で渡っていった。

関係者によると、それとほぼ同じタイミングで、コンビニエンスストアから女性が出て、商店街のほうに向かっていったという。

近江容疑者は、コンビニから出た被害女性を見つけると、背後から近づき、刃物で刺した。

さらに、逃げる女性を追いかけ、再び襲いかかった。

面識のない女性を、背後から刺すという残忍な手口。

一体何が、71歳の男を犯行へと駆り立てたのか。

地元のお祭りで、おどけた表情を見せる近江容疑者。

古くからこの地で暮らし、子どもが独立したあとは、妻と2人で生活していたという。

町内会の祭りやカラオケ大会などの行事には、積極的に参加していた。

町内会長は、「(酒を)家で飲むのは、奥さんに止められている。朝晩散歩をしていたが、その時は、ポケット瓶のようなアルコール」と話した。

近江容疑者を知る人は、「1,000円とか2,000円貸したことも何回かある。結局、酒(を買う金)に化けていた」と話した。

おとなしい人柄の反面、酒に溺れていたという近江容疑者。

近江容疑者を知る人は、「リュックサックを背負って、その中に刃物があった。『何のために持つんだ?』と聞くと、『サカキをとるためだ』と」と話した。

警察の調べに、近江容疑者は、「2カ月ぐらい前から数回、刃物を腹の部分に入れて護身用で持っていた」と供述していて、今回の事件の経緯や動機の裏づけを進めている。

近江容疑者は、お金に困っていたという証言もあり、実際にポケットにもお酒を隠し持って妻に隠れて飲んでいたということもあるそうだが、酒と事件との因果関係は、わからないという。