ノーベル化学賞に、旭化成の名誉フェロー・吉野彰さん(71)が決まりました。

吉野彰さんに、三田友梨佳キャスターが直接話を聞きました。

三田キャスター「このたびは、本当におめでとうございます」

吉野彰さん「どうもありがとうございます」

三田キャスター「受賞が決まってから、会見があってインタビューが続いて、大変お忙しくされていると思いますが、ご実感は湧かれていますか」

吉野彰さん「まだ、実感は湧いてこないですね」

三田キャスター「吉野さんが開発されたものは、今や生活になくてはならないものです。いつかノーベル賞をという自信はあったのでしょうか」

吉野彰さん「自信はないが...、これからリチウムイオン電池は、環境問題に大きな貢献をしていくことになる。そういう意味を含めて、ひょっとしたらという気はあった」

三田キャスター「会見の中で、基礎研究があって開発研究があって、そのあと3年間は売れない時期もあったという話が印象的でした。その間、どんなご苦労があったんでしょうか」

吉野彰さん「研究開発の場合、3つのステップがある。その各ステップごとに、いろんな苦労があった」

三田キャスター「壁に当たった時、どう乗り越えたんでしょうか」

吉野彰さん「何かゴールに向かって進んでいく時に、壁というのは必ず出てくる。逆に、その壁を乗り越えれば、必ずゴールにたどり着く。そういう信念があれば、壁が何度も何度も出てきても、頑張っていけるんじゃないかと思う」

三田キャスター「奥さまの存在も大きかったのではないでしょうか」

吉野彰さん「それは、家内に聞いてください」

三田キャスター「先生は、大学院を卒業されたあと、大学の研究室に残るという選択肢もあったかと思いますが、なぜ、あえて民間企業を選んだんでしょうか」

吉野彰さん「確かにおっしゃる通り、どこかの時点で2つの選択肢のどちらかを選ばなければいけないと思います。私の場合、同じ研究をやるにしても、その研究がうまくいったときに新しい製品が生まれて、それが世の中で広く使われるようになりますよと。それが大きく世界を変えることになりますよと。そういう点からして、企業の研究の方が、自分には向いているのではないかというふうに思いました」

三田キャスター「今回、吉野さんが民間企業での研究者として選ばれた。この意味というものは、大きいものではないでしょうか」

吉野彰さん「わたしが、きょうの受賞で一番申し上げたい点は、その点だと思います。産業界の研究者も、こういったノーベル賞という素晴らしい賞をいただけるということをアピールできたというのは、わたし自身にとって、うれしい点だと思っています」

三田キャスター「吉野さんのように『民間企業で働きながら社会貢献を』と日々考えている皆さんに、どんなメッセージを送りたいですか」

吉野彰さん「科学技術は進歩してきていますけれど、まだまだわからない新しい原理がある。若い人は、新しいことを見つけるチャレンジをしてほしい」