正面の鳥居を中央にして、ほぼ左右対称に並んだ建物。

入り口には、天皇家を表す菊の御紋が入った、ちょうちんが掲げられている。

天皇陛下は14日、皇位継承にともない、一世に一度だけ行われる皇室伝統の重要祭祀(さいし)「大嘗祭(だいじょうさい)」に臨まれる。

その中心的な儀式を執り行う「大嘗宮(だいじょうきゅう)」が完成し、報道陣に初めて公開された。

30棟余りの建物が並ぶ大嘗宮。

その中心が、陛下が儀式に臨まれる、東の「悠紀殿(ゆきでん)」と西の「主基殿(すきでん)」。

2棟の建物は、板ぶきの屋根に皮のついた丸太をそのまま使用する、「黒木造り」と呼ばれる、古代の工法が採用されている。

さらに、鳥居の奥にあるのが、両陛下が身支度をされる「廻立殿(かいりゅうでん)」。

陛下が即位後、初めて、国民の安寧(あんねい)や五穀豊穣(ほうじょう)を祈られる、大嘗祭の中心的な儀式「大嘗宮の儀」。

“秘儀中の秘儀”といわれるこの儀式は、どのような内容なのか。

29年前、平成時代に行われた儀式を振り返ってみると、午後6時半から行われた「悠紀殿供饌の儀」では、スゲで作られた傘を差し掛けられ、「御祭服」と呼ばれる純白の絹で作られた装束をまとった上皇さまが、たいまつと灯籠のわずかな明かりの中、廻立殿から東の悠紀殿に進まれる。

上皇后さまは、白い十二単(ひとえ)姿で、「帳殿」と呼ばれる隣の建物で儀式に臨まれる。

悠紀殿の内部を再現した模型。

中には、天照大御神(おおみかみ)のための寝座。

そのそばには、陛下が座る御座をしつらえ、陛下は、伊勢神宮の方角に向かって座られる。

そして、「采女(うねめ)」と呼ばれる女性の手伝いを受けながら、陛下は、米やタイ、果物などをお供えする。

続いて、五穀豊穣などを祈る「お告文」を読み上げられ、お供えした食べ物を口にされる「直会(なおらい)」を行った後、悠紀殿を退室される。

このおよそ3時間後、今度は西の主基殿に入られ、「主基殿供饌の儀」へ。

儀式は、悠紀殿で営まれた儀式と同じで、夜中の午前3時半ごろ、一連の儀式が滞りなく終わった。

儀式が終わる15日午前3時すぎの予想気温は、およそ10度にまで冷え込む中、長時間にわたり、一世に一度の儀式に臨まれる両陛下。

奈良時代の天武天皇から、およそ1350年間、脈々と続いてきた厳粛な儀式はいよいよ14日となる。