元フランス代表DFエブラ氏、ファーガソン監督が退任した2013年当時を回想

 2013年5月、マンチェスター・ユナイテッドの指揮官だったサー・アレックス・ファーガソン氏の退任発表は、衝撃的なニュースとして世界中を駆け巡った。ユナイテッドで27年にもおよぶ長期政権を築き、数々のタイトルを獲得してきた名将の引退に誰もが驚いたが、実はファーガソン氏は退任発表の直前まで身を引くつもりは一切なく、それどころかUEFAチャンピオンズリーグ(CL)制覇に向けて大型補強を狙っていたようだ。

 ユナイテッドの公式動画チャンネル「UTDポッドキャスト」で、当時の様子を振り返った元フランス代表DFパトリス・エブラ氏によると、同クラブから正式発表が出される2週間ほど前から、現地メディアの間ではすでにファーガソン氏の2012-13シーズン限りでの退任が噂され、クラブハウスには多くの報道関係者が連日詰めかけていた。

 そのため、噂の真偽を確かめようとファーガソン氏に去就について直接尋ねたところ、「パトリス、私は辞めないよ。ここにあと10年はいるつもりだ」と同氏は答え、退任の可能性を否定したという。

 加えてファーガソン氏は、この時に翌シーズンに向けてポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(当時レアル・マドリード)の買い戻しと、ウェールズ代表FWギャレス・ベイル(当時トッテナム)の獲得を狙っていることを、エブラ氏に明かした。「ロナウドとベイルを獲れると99%確信している。またUEFAチャンピオンズリーグで優勝するためには、この2人が必要なんだ」というファーガソン氏の話に驚いたエブラ氏は、ロナウドに連絡を取って直接確認したところ、ファーガソン氏にユナイテッド復帰の意思を伝えたことをロナウド本人も認めたという。

もしファーガソン監督が続投していたら…C・ロナウド&ベイルが香川とも共闘?

 しかし、その後の2週間で状況は一変する。のちに自伝でファーガソン氏自身が明かしているように、当時同氏の妻キャシーさんは双子の妹ブリジットさんが亡くなったことで精神的に不安定な状態が続いていたため、妻のことを案じたファーガソン氏は監督業から身を引くことを決断。また、ロナウドも当時不仲が噂されていたジョゼ・モウリーニョ監督がレアルを去ったことから残留を決断。ベイルもレアルに移籍することになり、結局ファーガソン氏が夢見た大型補強が実現することはなかった。

 当時のユナイテッドには、元イングランド代表FWウェイン・ルーニーや元オランダ代表FWロビン・ファン・ペルシーだけでなく、元日本代表MF香川真司も在籍していた。そのメンバーにロナウドとベイルを加えた豪華なチームをファーガソン氏が率いていれば、CL優勝も十分に可能だったはず。もちろん、“たられば”話に意味はないものの、エブラ氏の今回の話はサッカーファンの妄想を大きく膨らませてくれるエピソードと言えるだろう。

Football ZONE web編集部