ドイツで長年プレーしたFWク・ジャチョル、ヴォルフスブルクでのエピソードを吐露

 元韓国代表FWク・ジャチョル(アル・ガラファ)は、元日本代表MF長谷部誠とも共闘したドイツのヴォルフスブルク時代について回想し、人種差別被害に遭っていたことを告白した。「今考えても、それはあまりにも悲しかった」と語っている。韓国紙「世界日報」が報じた。

「ク・ジャチョルがブンデスリーガでプレー時に経験した人種差別について打ち明けた」と伝えたのは、韓国紙「世界日報」だ。現在アル・ガラファ(カタール)に所属する31歳のストライカーは2011年1月からドイツに渡ると、ヴォルフスブルク、アウクスブルク、マインツなどでプレーした。その間、長谷部やFW宇佐美貴史(ガンバ大阪)らとも共闘している。

 そんなク・ジャチョルが、自身が運営するYouTubeチャンネルのなかでインタビューを行い、ヴォルフスブルク時代について言及。記事では「良い活躍を見せたにもかかわらず、人種差別を経験して、チームを離れようとしていたエピソードを話した」と記している。

 発端は2013年9月21日、ブンデスリーガ第6節ホッフェンハイム戦だったという。本拠地フォルクスワーゲン・アレーナで行われた一戦で先発出場したク・ジャチョルだが、「その日は調子が良くなかった。あまり眠れず、自信がない状態で出場した。勝っていても、なんだか不安だった」という。

 そのなかで前半20分頃、ヴォルフスブルク陣内のボールをヘディングでゴールキーパーにバックパスしようと試みたが、ここでク・ジャチョルのミスから相手ストライカーにボールを奪われて失点。ク・ジャチョルはハーフタイムに交代するも、試合はヴォルフスブルクが2-1で逆転勝利を収めた。

試合翌日、同僚から投げかけられた思わぬ言葉 「怒ったク・ジャチョルは…」

 事件は翌日のトレーニングで起きたという。ク・ジャチョルは「控えのゴールキーパーが『ヘイ、チャイニーズ』と言って『どんな種類のサッカーをやってるんだ』『ナイスアシスト』と皮肉を言ってきた」と明かしている。

 当時の出来事に触れつつ、記事では「怒ったク・ジャチョルは監督に対して『人種差別を受けた』と抗議。それとともに『ビルト』や『キッカー』などのメディアインタビューで、冬にチームを無条件に離れたいと宣言した。監督はゴールキーパーに電話し、ク・ジャチョルに謝罪するように求めた」と記している。

 ク・ジャチョルは「そのゴールキーパーに電話で謝罪を受けた記憶がある」と回想し、夕食の招待も受けたという。ク・ジャチョルは「今考えても、それはあまりにも悲しかった」と吐露している。

 その一方、昨年の大韓サッカー協会(KFA)主催のイベントでも当時を回想していたク・ジャチョルは、「とても苦痛だったが、1日休んでロッカールームで大声で歌って勇気を出した。その後、選手たちと初めて一緒にご飯を食べに行き、殻を破るきっかけになった」と語っている。

 人種差別に心を痛めたク・ジャチョルだが、その後はドイツで長年プレー。自身のサッカーキャリアにおいてターニングポイントの一つになったようだ。

Football ZONE web編集部