今年1月にギラン・バレー症候群を発症して2カ月の入院生活 代表合宿でオンライン会見

 フットサル日本代表は18日より、トレーニングキャンプをスタートした。合宿2日目の午前練習後、GKピレス・イゴール(ペスカドーラ町田)がオンライン会見に臨み、入院中に受けた支援を感謝するとともに、再びフットサルをプレーできる喜びを涙ながらに口にした。

 サッカー番組「やべっちFC」のフットサル対決で、フットサルファン以外にも広く知られるイゴールの体に異変が起きたのは、昨年12月末だった。

 発症に気づいた経緯について、イゴールは「僕の足が少しずつ痺れ始めました。そこから症状が上がっていき、口のなかも痺れたんです。その時にすごく心配で病院に行き、3回、4回くらい検査をしたのですが、最初は何も見つかりませんでした。その5日後、もう一度病院に行った時に『ギラン・バレー症候群だと思う』と言われて、一刻も早く治療を始めなければ、状態は一気に悪化するといわれて、すぐに入院することになりました」と、振り返った。

 10万人に1人という非常に低い確率で発症するこの難病について、イゴールは当初、何も知らなかった。しかし、その後インターネットなどで検索し、知識を得るにつれて「もうフットサルはできない」と、覚悟もしたという。

「フットサルを、またやりたい。その気持ちは間違いなくありました。でも、まずは生きるためのことを考えないといけませんでした。生きること、生活することを考えて、普通の生活ができるかなというのが一番心配でした」

 所属する町田から、イゴールが入院したことが発表されると、彼の元には多くのメッセージが寄せられた。「いろいろな方にメッセージをもらいましたし、多くの人が病院に来てくれました。それは本当にありがたかったです。本当にきつい時に、病気と闘おうという気持ちになれました。みなさんからのメッセージが届いて、力になりました。少しずつ『フットサルをまたプレーしたい』と思えるようになり、それが『できるな』と思えるようになっていきました」と、涙をこぼしながら感謝した。

「まだチャンスがある」「絶対にW杯でプレーしたい」

 新型コロナウイルスの被害が拡大したことにより、Fリーグは開幕が遅れ、イゴールはその期間に再びプレーできるまで回復した。練習を再開した時は「体が硬くなっていて、ストレッチが難しかった。体重も8キロ、9キロ痩せていました」と言ってから、「でも、今は大丈夫。まだ体はちょっと硬いし、アジリティもちょっと遅いけれど、コンディションは良くなっています」と、プレーできるまで状態が回復したことを強調した。

 それでも40歳のGKは、復帰してから公式戦を戦っていない、このタイミングでの代表入りは予想していなかったと話す。

「今シーズンは代表に入れないと思っていました。みんな、今の僕がどういう状態なのか分からないと思ったので、(代表入りの)チャンスはないと思っていました。それでもチームですごく頑張ったし、日本代表のブルーノ監督と町田のルイス監督が話して、僕のコンディションについて、情報を共有していたと思います。今回、選ばれて『まだチャンスがある』『絶対にワールドカップ(W杯)でプレーしたい』と、より強く思いました。僕はもう年もとっていますし、代表に選ばれる時は、常に『最後のチャンス』だと思って、110%を出さないといけないと思っていました。でも、今は来年にW杯もありますし、チャンスは残っていると思うので、120%を出していきたいと思います」

 闘病中、イゴールを励ました人たちは、彼の日本代表復帰と、W杯出場を強く願っているだろう。「まだ、どのくらいのパフォーマンスができるか、自分でも分からない」というイゴールだが、自身を支えてくれた人たちへの感謝を力に、再び日本代表にとって不可欠な存在になっていくはずだ。

Football ZONE web編集部