【闘莉王氏インタビュー】301日ぶりに復活した中村憲剛について熱く語る「憲剛とジュニーニョのホットラインが…」

 今季のJ1リーグは、川崎フロンターレが18試合終了時点で15勝2分1敗の勝ち点47を積み上げ、首位を快走している。第13節清水エスパルス戦(5-0)では、昨年11月に大怪我をした元日本代表MF中村憲剛が301日ぶりにJ1の舞台に復帰。そしてこの試合でいきなり、左足での華麗なループシュートで追加点を演出した。このドラマチックな復帰を果たしたベテラン司令塔を、昨季限りで現役を引退した元日本代表DF田中マルクス闘莉王氏が称賛。さらに闘莉王氏はDFとして何度も対峙した、かつての川崎の誇った最強ホットラインの凄みについて振り返っている。

 今季ここまでわずか1敗と、圧倒的な強さを見せる川崎。新型コロナウイルスによる中断明けから破竹の10連勝を飾り、8月23日の第12節名古屋グランパス戦(0-1)で敗れたものの、日程変更で行われた同26日の第24節ヴィッセル神戸戦(2-2)で引き分けると、その後は再び5連勝を記録している。

 2度目の連勝ロードが始まった第13節の清水戦で、快進撃を続けるチームにとって大きな出来事があった。大黒柱の中村が約10カ月ぶりにピッチへ帰還。中村は昨年11月に左膝前十字靭帯損傷、左膝外側半月板損傷の大怪我を負い、全治約7カ月と診断された。

 39歳という年齢で直面したキャリアの危機――。それでも中村は懸命なリハビリを経て、復活を遂げる。清水戦の後半32分から途中出場。そして同40分には相手のビルドアップミスを突き、インターセプトと同時にダイレクトで放った左足ループシュートで鮮やかにゴールネットを揺らした。

 大怪我から見事な復活を果たした中村と闘莉王氏は、J2時代からしのぎを削ってきた間柄だ。闘莉王氏が水戸ホーリーホックに在籍していた2003年に、中村は川崎でプロ1年目。当時はお互いJ2で、その後05年に川崎が昇格を果たすと、浦和レッズの主力となっていた闘莉王氏と再び同じ舞台で対戦することとなる。

 今季も18試合終了時点で総得点55。リーグ最強の攻撃力を誇る川崎だが、これまでも最強の矛が存在したという。

「今年のフロンターレもいいね。でも、個人的に一番脅威を感じたコンビは自分の記憶の中にある」

 こう語った闘莉王氏。身をもって経験したホットラインについて、口を開いた。

「憲剛は自分がJ2で水戸にいた時から対戦していますし、あの時から川崎を支えている、今の若いJリーガーには分かるのかな……というぐらい昔の話ですけど(笑)。憲剛とジュニーニョのホットラインが凄かった」

「ジュニーニョがあれだけ点を取ったのは、半分くらい憲剛のおかげ」

 2003年から11年まで川崎に在籍し、「太陽」と呼ばれていたブラジル人FWジュニーニョ。2007年に得点王に輝くなど、J1通算116得点をマークした快足ストライカーを輝かせたのは、間違いなく中村が繰り出したキラーパスの数々だった。当時の脅威は、闘莉王氏の脳裏に焼き付いているようだ。

「ジュニーニョとのホットラインがどういうことかというと、抜群に速いジュニーニョと、憲剛のスルーパスを出すタイミングが抜群に合う。(お互い)生かし方も分かっている。長めのパスを出したり、DFを誘うパスを出したりするのが憲剛で、ジュニーニョはそれを分かっていてスピードを落としたり、DFが来た瞬間にスピードを上げたりする。かわしてPKを奪ったシーンを何度見たか。それくらい2人は分かり合っていたし、素晴らしいコンビだった。凄まじい攻撃力で、個人的には一番脅威を感じたホットラインだった。ジュニーニョがあれだけ点を取ったのは、半分くらい憲剛のおかげじゃないかな」

 阿吽の呼吸で何度もゴールを奪ってきた中村とジュニーニョのホットライン。2人が作り出した高速カウンターの脅威は、数々の名手を抑えてきた闘将にとって今も強烈な印象として残っているようだ。

Football ZONE web編集部