ザッケローニ氏がユベントスのピルロ新監督について言及 「大きな価値を持つ」

 元日本代表監督のアルベルト・ザッケローニ氏が、新シーズンにイタリア・セリエAの王者ユベントスで監督デビューを果たしたアンドレア・ピルロ氏について、第2節ローマ戦の引き分けを価値あるものだと語った。イタリア紙「コリエレ・デラ・セーラ」が報じている。

 ピルロ新監督は現役時代にACミランやユベントスなどで活躍し、クラブレベルでも代表チームでも世界一を獲得。そのプレーメーカーぶりから“マエストロ”の称号も得た。当初ユベントスのU-23チームへの就任が予定されていたが、昨季限りでマウリツィオ・サッリ監督が解任されたことを受けて急遽トップチームの監督に就任する運びになった。これまで指導者としてチームを率いたことがないだけに、その点については懐疑的な目があったのは事実だった。

 そのピルロ新監督に率いられたユベントスは、開幕戦でサンプドリアを相手に3-0で快勝。ゲームを支配する内容からピルロ新監督の評価も上々だった。しかし、翌節のローマ戦では相手ペースの時間も長く、さらに退場者を出して10人になった試合展開で2-2の引き分け。システムの選択など、手厳しいイタリアメディアは一斉に疑問符をつけた。

 しかし、イタリアで“北の3強”と呼ばれるユベントス、ACミラン、インテルの全てのクラブで監督を務め、日本代表でワールドカップにも出場した経験を持つザック氏にとっては、そのローマ戦こそ重要なものだったと論じている。

「ピルロの持つアイデンティティやスピリットを反映しながらチームを作り上げる上において、苦しい状況から打開したローマ戦の引き分けのような試合は、勝利したサンプドリア戦よりも大きな価値を持つ」

 ザック氏は失敗や苦境から学ぶことがあるというニュアンスで、最終的に敗戦ではなく引き分けで終えたローマ戦の価値を語った。その上で、新型コロナウイルスの影響でシーズンが変則的になり、準備期間が十分でなかったチームを率いている点を指摘しつつ、まだ足りない部分があるとも話している。

「伝統的な6週間のプレシーズンという期間がフルで取れなかった」

「彼を擁護しようとしているわけではないが、彼には伝統的な6週間のプレシーズンという期間がフルで取れなかったのは事実だ。常にチームの構築を考えなければならないが、時にそれは言葉にできない部分があり、距離感やタイミング、スペースを見つける、あるいは管理すること、ボールのないところでマークを外すことも作り上げなければいけない。これら全てがまだ欠けているが、C・ロナウドの態度や発言を見ればピルロが楽しみながら仕事を進めていることも分かる。これが最も重要だ」

 ザック氏の言葉に登場したポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドは、明確にチーム内でのスターであるものの、ピルロのチーム作りに好意的なコメントを発して自らのゴールでチームも救っている。こうした点は、ザック氏の観点では重要な部分になっているようだ。

 すでに監督業から身を引くことを宣言しているザック氏だが、その豊富な経験からはピルロ新監督の指導者スタートには前向きな要素が多いと感じているようだ。

Football ZONE web編集部