【ドイツ発コラム】開幕から3試合で1得点3アシスト、フランクフルトの好スタートに貢献

 ブンデスリーガ第3節、元日本代表MF長谷部誠と日本代表MF鎌田大地がプレーするフランクフルトは、ホームでホッフェンハイムを2-1で下した。これでフランクフルトは、第3節終了時点で首位RBライプツィヒと同じ勝ち点7の3位につけている。

 この試合で大活躍を見せたのが鎌田だった。

 ホッフェンハイムに1点リードを許す展開で、まず後半9分に同点ゴールをマーク。左MFシュテフェン・ツバーからのクロスがペナルティーエリア内のFWバス・ドストに渡った瞬間、ホッフェンハイム守備陣は秩序を失っていた。その隙を見逃さずにぽっかりとできたスペースへ猛ダッシュを仕掛けると、ドストからのパスをいち早くゴールへ流し込む。

 同26分には中盤からのドリブル突破で逆転ゴールをお膳立て。マークに来たホッフェンハイムMFフロリアン・グリリッチを鋭い動きでかわすと、そのままペナルティーエリア内に侵入し、さらに2人のDFを抜き去る。そして飛び出してきた相手GKオリバー・バウマンの目先でタイミング良くゴール前で待つFWアンドレ・シルバへラストパス。シルバのシュートはDFにブロックされたが、粘ったシルバからのパスを最後にドストが至近距離からゴールに蹴り込んだ。

 昨シーズンはリーグ初ゴールまでだいぶ時間がかかったが、今季は3試合目で初ゴールと幸先が良い。シーズン開幕前に、今季の目標にゴールとアシスト合わせて15点をあげていた鎌田。3節終了時で1ゴール3アシストと、しっかり数字を残せているのは素晴らしい。

 ホッフェンハイムのセバスティアン・へーネス監督は、「フランクフルトは一つのゴールで勢いに乗ることができるチーム」と称していたが、鎌田の得点がスタジアムの熱狂を生み、膨らんでいくファンの熱気がさらにチームの背中を押していく相乗効果へとつながったのだ。

 それ以外にも、攻守におけるプレーへの関わりが非常に積極的になっている点に注目だ。

 アディ・ヒュッター監督からの課題として取り上げられている守備への取り組みに、今季は開幕戦からとても精力的にアプローチしている。昨シーズンでも守備には汗をかいていたが、自分の周りでボールを奪いにいける局面でしかスイッチが入らないことが多かった。そのあたりで今季は、常に次の守備アタックポイントを見定めながら、自分から粘り強くアタックする頻度が増えてきているのだ。このホッフェンハイム戦では後半21分に、相手のクロアチア代表MFアンドレイ・クラマリッチに対して素晴らしい体の入れ方でボールを奪い取り、ビッグチャンスにつなげるシーンもあった。鎌田は、より完成度の高い選手への階段を上っている。

フルスティッチ加入でトップ下の競争激化、熾烈な環境がさらなる長成を促す

 ヒュッター監督にとって鎌田はすでに主軸の1人だが、だからといって無条件でいつでもプレーさせてもらえるわけではない。この試合の2日前、フランクフルトはオーストラリア人FWアルディン・フルスティッチの獲得を発表。前所属のフローニンゲンでは右サイドの攻撃的なポジションで主にプレーしていたが、クラブサイドはトップ下での起用を示唆している。

 フルスティッチ自身も「僕は自分のポジションは中盤センターだと思っている。そこが一番プレーしやすいんだ。激しいポジション争いがあるのは当然だ。でも、それこそが好きだ。もっとハードにトレーニングしようという意欲を掻き立ててくれる」と明かし、鎌田とのポジション争いに真っ向勝負を挑むつもりだ。

 健全なポジション争いは選手を成長させる。鎌田もそのことをよく分かっている。昨シーズン、UEFAヨーロッパリーグ(EL)のリエージュ戦後に、「僕のポジションって、今フランクフルトで一番ポジション争いが大変だと思う。いい選手がいっぱいいる。自分が出た試合で結果を出せないと、だんだん自分のポジションがなくなってくると思っている」と心境を明かしていたが、そうした環境のなかで練習から激しく取り組み続けることが、確かな成長へと結びついているのだ。

 ホッフェンハイム戦後、GKケビン・トラップは「0-1となった後、僕らはインテリジェンスにプレーしたと思う。0-2にするわけにはいかないなかで、ゴールチャンスを作り出すことができた。バス(ドスト)もアンドレ(シルバ)も非常にいいプレーをしたと思う。ダイチは好調だね。そのすべてがチャンスを作り出し、決めたということにつながっている」と、この日の攻撃陣のパフォーマンスを褒めていた。

 自身が思い描く次のステージへ到達するために、鎌田はさらに貪欲に戦い続けるだろう。

Football ZONE web編集部