ユベントスとイタリア代表で優勝を経験したリッピ氏が過去のチームを振り返る

 かつてユベントスでトヨタカップ(現FIFAクラブワールドカップ)、イタリア代表でワールドカップを制し、クラブと代表の両方で世界一にチームを導いた名監督のマルチェロ・リッピ氏が、2006年ドイツW杯優勝メンバーなどについて語っている。イタリアのスポーツイベントで講演したものを、サッカー専門メディア「カルチョメルカート・コム」がレポートしている。

 リッピ氏は2004年にイタリア代表監督に就任した時のことについて「素晴らしいグループと2004年にスタートした冒険の初めに、私はワールドカップで優勝するためにイタリア代表の監督になったと言った。選手たちには、ワールドカップで優勝しようと思えばスロベニアやベラルーシとの親善試合に勝つだけでは足りないと言った。だから、トップレベルの相手と3試合の親善試合を組んだんだ」と話した。目的に対して必要な強化をするうえで、親善試合の対戦相手をどう決めるかも重要だということなのだろう。

 そして、本大会で勝ち上がっていったチームは、準決勝で開催国のドイツと対戦して延長戦、決勝ではフランスとPK戦までもつれ込む激闘の末での勝利だった。それでもリッピ氏は「ドイツに入って、そうした強化の清算を行うことになるが、成し遂げることができるだろうと感じていた。ドイツ戦の前に『我々は無敵だ』と宣言した。フランスはPK戦(1998年W杯)やゴールデンゴール(2000年欧州選手権)で私たちに勝った経験があるが、今回は自分たちの番だという自信があった」と振り返っている。

 このW杯優勝に大きな力を与えたMFフランチェスコ・トッティについては「彼が腓骨の負傷をした後にローマに行って、一緒にW杯へ行こうと言ったんだ。それは、『100パーセントの状態じゃなかったとしても、一緒に行こう』という言葉だね。それだけの信頼関係だったよ」と、万全ではなかったとしてもエースが必要だったというエピソードを披露していた。

ユベントスで振り返ったのは2003年のCL準優勝チーム

 また、ユベントスについては1996年にトヨタカップを制したチームではなく、2003年にUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の決勝でPK戦の末にACミランに敗れたチームが振り返られた。この時のチームの中心の1人は当時のチェコ代表MFパベル・ネドベドだったが、決勝戦は累積警告による出場停止だった。

「この時にチームでは、後ろに下がるようなことがあれば常に怒り、前へ前へとプレッシャーをかけることを求めた。(元イタリア代表FWアレッサンドロ・)デル・ピエロも守備をして、全員が走る。美しいユベントスだった。そして、再びヨーロッパの頂点に立つために勝ち進んで決勝までたどり着いた。デポルティボ、バルセロナ、レアル・マドリードとスペイン勢を全部倒してね。もし、ネドベドと一緒に決勝を戦えていたら、間違いなく負けなかったよ」

 ネドベドはこのシーズン、ユベントスがCL優勝を逃したことで「幻のバロンドール」とも呼ばれた。それだけ、リッピ氏にとってもクラブチームを率いた中で理想に近いチームがこのシーズンのユベントスだったようだ。

 すでに監督業からの引退も宣言しているリッピ氏だが、イタリア人指揮官として燦然と輝く実績の背景にあるものは、名伯楽と呼ばれるにふさわしいチーム構築や人心掌握術があると言えるだろう。

Football ZONE web編集部