FW垣田裕暉(徳島ヴォルティス):J1昇格へと導いた泥臭いストライカー

 J2での活躍を経てJ1へと飛躍する選手は、近年では毎シーズンのように生まれている。本企画では「J2からの推薦状」と題し、次にそのような飛躍を遂げる可能性のある“スター候補生”たちを紹介していく。

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 情熱を剥き出しにするプレーが、垣田裕暉という男の魅力だ。迫力を持ってゴール前に飛び込み、ここぞのチャンスでパワーを注ぎ込む。泥臭さのあるスタイルで今季は17得点を記録し、徳島ヴォルティスをJ1昇格へと導く活躍を見せた。

 垣田は鹿島アントラーズの下部組織から2016年にトップチーム昇格。1年目はわずか3試合の出場にとどまり、翌年からはツエーゲン金沢への期限付き移籍を決断した。そこで先発に定着すると90分間、献身的なハードワークからゴールを狙うスタイルで活躍。在籍3年間で20得点を挙げ、金沢のエースにまで登り詰めた。そして今季、徳島に期限付き移籍してさらなる成長を遂げ、キャリアハイとなる17得点を奪取。得点ランキング日本人2位(1位はディサロ燦シルヴァーノ/北九州)の堂々たる成績を残した。

 熱い気持ちを前面に出すのが垣田の特徴だが、今季はゴールへの嗅覚が冴え渡っていた。特に光ったのは、ワンタッチでゴールを射抜くための駆け引きとポジションニング。必ずDFの前に潜り込み、ワンタッチでシュートを打てる状況を生み出す能力が際立った。

 その特徴をフルに発揮したのが、第33節栃木SC戦(2-0)のゴールだろう。相手が首を振って垣田を確認した直後、スピードアップしてDFの視界から消え去り、クロスボールに飛び込んでニアで合わせる。緩急のある動き出しでDFを出し抜く素晴らしい得点シーンだった。また、J1昇格を決めた第41節大宮アルディージャ戦(1-0)では、打点の高いヘッドで決勝弾を挙げるなど、大一番でチームを勝利に導く活躍も見せた。今季を通して、選手として大きな成長を遂げたと言っていいだろう。

 J2の舞台で経験を重ねながら、FWとして徐々にスケールを大きくしてきた垣田。来季は徳島での継続や鹿島への復帰の可能性も含め、いずれにせよJ1でプレーすることになるだろう。ゴール前での仕事に関してはJ2トップクラスの力を示してきただけに、J1のDFたちを相手に、どこまで培ってきたものを出せるのかに注目したい。

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Football ZONE web編集部