自身2度目のベストイレブン受賞を受け、今季のパフォーマンスを回想

 Jリーグは22日、今季の活躍を表彰するJリーグアウォーズを開催し、ベストイレブンを発表した。2年ぶりにJ1を制した川崎フロンターレからは9人が名を連ね、GK部門で選ばれたチョン・ソンリョンが喜びの声を語った。

 韓国出身のチョン・ソンリョンは2016年に水原三星ブルーウィングスから川崎へ加入。冷静な判断に基づいたセービングを武器に、チームを最後方から支え続けてきた。今季は新型コロナ禍による過密日程を強いられたなかでも、加入5年目にして初となる全試合フル出場を達成。チョン・ソンリョンは「他のチームにも良い選手がいますし、その中で選ばれたのはすごく光栄です。フロンターレに来て全試合フル出場というのが初めてなので、それも良かったと思っています」と、満面の笑みで答えた。

 ベストイレブンへの選出は、18年に続いて二度目。当時も川崎のリーグ制覇に貢献し、その活躍が評価されての受賞となった。「今年はコロナ禍でのシーズンだったという意味で環境面での違いがあったところと、チームの戦術として前に出てプレーするように求められていたので、チャレンジする姿勢が加わったと思っています」とチョン・ソンリョン。2年前とは違い、今季はゴールマウスを守るだけにとどまらず、積極的に前へ出てビルドアップにも関わったという。鬼木達監督からは「ミスを恐れるな、ミスをしてもチャレンジし続けろ」と発破をかけられていたといい、その言葉が良いパフォーマンスへ導いてくれたと、チョン・ソンリョンは振り返る。

 さらに今年は、シーズンを通して納得のいくプレーをするため、コンディション面には万全を期したという。フィジカルコーチやトレーナー、GKコーチらの協力を得て、技術とフィジカルのクオリティーを最大限に引き上げたなか、彼はあることを胸に誓っていた。

「GKは僕だけでなく、丹野(研太)選手や安藤(駿介)選手、(イ)キョンテ選手もいる。グラウンドで切磋琢磨して、競争してきたなかで、僕が代表して試合に出させてもらっていたので、責任感を持ちながら試合に出ることを考えていました」

 正守護神として無様な姿は見せられない――。そうした自覚の念も、自らをかきたてた。

今季最も印象に残るプレーは、鹿島FW上田のシュートを止めたシーン

 今季のJ1で2番目に少ない失点数を誇った川崎の守備を、最後方から支えた今季のチョン・ソンリョンは多くのビッグセーブを見せてきた。そのなかで最も印象深かった自身のプレーを尋ねてみると、第27節の鹿島アントラーズ戦(1-1)で、FW上田綺世が放ったヘディングシュートを止めた場面を挙げた。前半21分、自陣左サイドからのクロスを上田が打点の高いヘディングで合わせ、ボールが山なりに飛んできたところを、チョン・ソンリョンがタイミングを合わせて横っ飛びで防いだシーンだ。

「あの感覚はすごく良かったです。まだまだできるんだなって実感しましたね」と、冗談を交えながら笑ってそう答えた。

シーズンを思い返せば、彼のファインプレーに何度助けられたことか。今季限りで現役を退くチームの“バンディエラ”中村憲剛は、DAZNの「やべっちスタジアム」初回配信で自身が選ぶチームMVPを聞かれ、チョン・ソンリョンの名を挙げていた。攻撃面の数字が大きく目立った今季の川崎だったが、最後尾でスーパーセーブを連発し続けた守護神もまた、間違いなくヒーローの一人だったと言っていい。

 連覇の期待がかかる来シーズンに向けても余念がない。「細かなことを少しでも準備していかなきゃいけないですし、来年はリーグ戦にVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が導入されると聞いているので、DFとGKのコミュニケーションはすごく大事になる。そういうところも含めて準備していかないと」と、早くも新しいシーズンを見据えていた。

Football ZONE web編集部