【森保ジャパンの理想布陣|福西崇史】ボランチは柴崎&遠藤が軸も…板倉の起用も「面白い」

 新型コロナウイルスの影響により、2020年の日本代表は活動が大幅に制限された。カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選は、3月と6月に予定されていた第7節から第10節の開催が延期。アジアサッカー連盟(AFC)が21年3月からの再開を決定するなか、日本サッカー協会(JFA)は日本代表強化のために欧州遠征を組んだ。

 だが、コロナ禍による入国制限の問題などがあり、Jリーグで戦う国内組は招集せず、史上初の“オール欧州組”でチームを編成。10月のオランダ遠征でカメルーン(0-0)、コートジボワール(1-0)と、11月のオーストリア遠征でパナマ(1-0)、メキシコ(0-2)と4試合を戦った日本は、守備面で一定の手応えを掴んだものの、攻撃面では流れの中から1点も奪えないなど課題を残している。

 この状況で迎える21年3月のW杯予選再開に向けて、森保一監督率いる日本代表はどのようなメンバーで臨めばいいのか。W杯に2度出場し、06年ドイツW杯アジア予選も経験している元日本代表MF福西崇史氏に、現時点での「理想布陣」と国内組から代表に推したい選手を選んでもらった。

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 福西氏はまず、日本代表の「理想布陣」を考えるうえで「アフリカ、南米、ヨーロッパなど、いろいろなタイプの海外勢がいるなかで戦えている選手たちは全体的な経験がある」と、現状の欧州組をベースとしたチーム作りを継続すべきと指摘。守護神にはGK権田修一(ポルティモネンセ→清水エスパルス)、4バックにはDF酒井宏樹(マルセイユ)、DF吉田麻也(サンプドリア)、DF冨安健洋(ボローニャ)、そして左サイドバック(SB)はやや悩んだものの経験豊富なDF長友佑都(マルセイユ)と現代表の主力選手を並べたが、Jリーグ組では今季躍進を遂げたDF山根視来(川崎フロンターレ)を右SBで試す価値があると指摘している。

 そして注目の2ボランチは、森保監督が継続的に起用しているMF柴崎岳(レガネス)とMF遠藤航(シュツットガルト)のコンビが「一番バランスがいい」と選出した。

「(2ボランチの)相性は絶対にあるし、コンビネーションもあるので組んでいる期間も長いほうがいい。(柴崎と遠藤は)組み合わせみたいのが上手くいっている気はしますね。遠藤がつなぎの部分でいい角度でボールをもらえることで、柴崎の攻撃力をより生かせたり、逆に柴崎が下がった時には空いたスペースに遠藤が入って仕掛けたり。お互いの特長を活かしあえている2人だと感じています」と、“日本代表ボランチ経験者”としての視点から、柴崎&遠藤のコンビを一番手に推した。

 その一方で福西氏は、欧州遠征でも起用されたMF橋本拳人(ロストフ)のほか、高さのあるDF板倉滉(フローニンゲン)のボランチ起用も「面白い」と期待。また国内組ではA代表経験のあるMF田中碧(川崎フロンターレ)、そして今季ルーキーながらJ1リーグ30試合に出場した高嶺朋樹(北海道コンサドーレ札幌)らは「守備だけじゃなく攻撃もできるというのはワクワクする」と、そのプレーに注目しているという。

攻撃陣の豊富なタレントを活かせる家長に期待 「Jリーグで断トツの存在感」

 そして攻撃陣について、福西氏はW杯アジア予選の戦いを見据えると日本は「ボールを握れるわけだから、ゴールを奪うための精度をより高めないといけない」と指摘する。2列目には「俊敏性のある」欧州組がひしめくが、そんな日本の誇るタレントを活かすうえで福西氏は「異色の存在」としてMF家長昭博(川崎)を推す。

「Jリーグで断トツの存在感。技術、実績を考えれば入っていてもおかしくない状況に合わせたサッカーをしてくれるし、走れって言えば走れる。ベテランになって、より嫌らしくなりましたね」と、右SB酒井の攻撃力を引き出すために右サイドハーフの一番手とした。

 そして攻撃陣でもう1人、福西氏が起用のポイントに挙げたのがMF南野拓実(リバプール)だ。森保ジャパンでは4-2-3-1のトップ下が主戦場となっているが、「セカンドストライカーでいい」と前線の軸であるFW大迫勇也(ブレーメン)との2トップ起用を推奨。また、森保監督が攻撃の中心として期待していたMF中島翔哉(ポルト)がクラブで思うように出場機会を得られていない現状を考慮すると、南野を左サイドハーフに回すのも有力なプランだとして、その際にはトップ下の一番手にMF鎌田大地(フランクフルト)の名前を挙げている。

 2列目の候補者としてはその他にもMF伊東純也(ヘンク)、MF原口元気(ハノーファー)、MF久保建英(ビジャレアル)ら欧州遠征に招集されたメンバーのほか、今季リーガ・エスパニョーラで好調なMF乾貴士(エイバル)にも注目。また、日本代表で長く課題とされている“大迫の代役”候補として、「Jリーグで結果を出している」33歳のベテランFW小林悠(川崎)は試す価値があるとした。

 W杯予選で日本と対峙する多くのアジア勢は、自陣に人数をかけて守備を固めてくる。10月と11月の欧州遠征で崩しの部分に課題を残したなか、福西氏が推奨する家長の抜擢や南野の2トップ起用が、一つの解決策になるかもしれない。

[プロフィール]
福西崇史/1976年9月1日生まれ、愛媛県出身。95年にFWとしてジュビロ磐田に加入すると、プロ入り後にボランチへコンバートされ黄金時代を迎えたチームの中盤を支えた。J1通算349試合62得点の成績を残し、Jリーグベストイレブンも4度受賞。日本代表としても国際Aマッチ64試合7得点を記録し、2002年日韓大会、06年ドイツ大会とワールドカップに2度出場した。04年アジアカップでは優勝を経験している。

Football ZONE web編集部